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ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平は8月31日(日本時間9月1日)、本拠地でのニューヨーク・ヤンキース戦に「3番DH」で出場。2点ビハインドで迎えた6回1死一、二塁という場面で打席に立った大谷は、相手のエース、ゲリット・コールからセンターの生垣に刺さる第30号3ランを放った。大谷の一発で逆転したエンゼルスはそのままリードを守り、ヤンキースに3-2で勝利。大谷はこの決勝弾を含め4打数1安打3打点で、勝利に貢献した。
◆【実際の映像】大谷翔平、ジャッジの前でセンターへの130mライナー弾 会心のガッツポーズ
■値千金の一発に現地は興奮の坩堝に
大谷は6回、前日に今季51本目のホームランを放ったアーロン・ジャッジの目の前で逆転3ランホームランを放った。中継局『バリー・スポーツ・ウエスト』のマーク・グビザ氏は「オハヨウゴザイマス・ニューヨーク!」(ニューヨークは夜11時ごろ)、「スゴイ、ショウヘイ!」と日本語を交えながら実況。同氏はツイッターにも「ショウヘイは$$$$$$ベイビーだ!(ミリオンダラー・ベイビーの意)」と値千金となる目覚めの一発に大興奮した。
同局で解説を務めるパトリック・オニール氏も「あれは尋常じゃない。オオタニは常識はずれだ。3ラン爆弾(ホームラン)ですぐにひっくり返した」とツイートすると、同局のレポーター、エリカ・ウェストンも「笑っちゃう。もちろん、ショウヘイがやった。3ランホームランでヘイローズ(エンゼルスの愛称)に逆転をもたらした」と投稿し、あまりにも漫画のような展開にメディアは笑うしかなかったようだ。
■同一シーズン10勝30本塁打はメジャー史上初
今季MVPレースを占うと言われたこの3連戦で、大谷がまた打棒をアピール。
ヤンキースのエース、ゲリット・コール(ア・リーグ最多16勝をマーク)から放った逆転の3ランに、公式ラジオ局のトレント・ラッシュ氏は「オオタニはコールに対して良い成績を残していない」と注釈するほど。天敵攻略を強調した。
このホームランはメモリアルな一発だ。
2年連続の30本塁打は日本人選手初の記録。さらに『MLB.com』のエンゼル番、レット・ボリンジャー記者は「同一シーズンで10勝30本塁打を挙げた選手は、MLBの歴史上ショウヘイ・オオタニがのみ」と紹介。『ESPN Stat』によれば、2年連続の「30本塁打100奪三振」もMLB史上初の記録だ。
また、ウェストン・レポーターは「オオタニこそ私のMVP!」とコメントし、大谷のMVP受賞を推した。
2試合連続弾を打ったジャッジと、3連戦で2ホーマーを打った大谷。MVP候補者による対決をラッシュ氏は「今シリーズを見たすべてのエンゼルス・ファンは『おいおい、ジャッジは想像以上にすごいじゃないか』と思うだろう。今シリーズを見たすべてのヤンキース・ファンは『おいおい、大谷は想像以上にすごいじゃないか』と思うだろう」と形容した。
MVPを争うジャッジとの直接対決の最終戦で、強烈なインパクトを残した大谷は2年連続MVP獲得に大きく前進したかもしれない。
◆大谷翔平、日本人初の2年連続30号は、ライバル・ジャッジが見上げる特大130m逆転弾
◆「ジャッジはアクセルを踏み続けなければ、大谷翔平に追い抜かれる」MVPレースの行方を考察 米メディア
◆大谷翔平、11勝目翌日の28号弾含む猛打賞に敵軍メディアも「オオタニがMVP」だと絶賛の声
文●澤 良憲(Yoshi Sawa)