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ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平は9日(日本時間10日)、敵地で行われたオークランド・アスレチックス戦に「2番DH・投手」で先発出場。6回5奪三振無失点の投球で、自身メジャー・キャリアハイの今季10勝目を挙げ、1918年のベーブ・ルース以来“2桁勝利2桁本塁打”を達成した。
この偉業に対し、ルースの孫であるトム・スティーブンスさんがNHKのインタビューに応じ、大谷を絶賛した。
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■「2桁勝利2桁本塁打は記録ではない。マイルストーンで偉業」
冒頭、スティーブンスさんは「こんにちは」と日本語であいさつ。「日本の野球ファンのみなさん、この現在においても私の祖父を思い出し、そして敬意を表して頂き、非常に嬉しいです」と感謝を述べた。
そして、104年ぶりとなる大谷の偉業については「2桁勝利2桁本塁打は単なる記録ではありません。マイルストーンであり、偉業です」と称賛、その上で「ベーブは二刀流選手になる意志はありませんでした。彼は単純に投手から打者へと転向したに過ぎず、(2桁勝利2桁本塁打の偉業達成は)その移行期間でした。そのため投手と打者をこなしていたに過ぎなかった。よってショウヘイが行っていること、(二刀流は)初の試みなのです。彼は極めて新しい選手、とても勇敢と言えます」と“リアル二刀流”は大谷こそが初めての選手である特異性を認識しているとした。
また、ルースと大谷の共通点について「自身の能力に対する自信、それは尊大になるわけでもなく、卑下するわけでもない。その自信により、彼は二刀流と宣言しプレッシャーがのしかかる中、それを成し遂げている。ベーブも期待され、必要なときにホームランを打ち、ヒットを打ち、非常に幸運だった。それはショウヘイも同じです」と評価した。
さらにスティーブンスさんは「1918年のベーブのように15勝できる」と今季の大谷の成績を予言した。実際ルースがこの年に記録したのは、13勝。NHKの字幕も「13勝」と掲出された。しかし、スティーブンスさんの記憶違いによるものか、明らかに「15勝」と口にしている。
「彼のプレーによって、ベーブがポジティブに思い起こされるのはとても素晴らしいことです。それはレガシーを保全することになるからです」と大谷のプレーにあらためて感謝の意を表した。
18年のルースは13勝11本塁打。翌年は9勝に留まり、20年にニューヨーク・ヤンキースに移籍すると、4シーズンにわたり5回登板し計5勝で終えている。大谷は今季、すでに18年のルースを本塁打数で上回っているが、果たして勝利数でもルース越えとなるのか。また、ルースでさえ、たった一度しか成し遂げることができなかった2桁勝利2桁本塁打を今後も繰り返すことができるのか、世界中の野球ファンが注目するところだろう。
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文●SPREAD編集部