
シアトル・マリナーズからFAとなり、トロント・ブルージェイズと3年総額年俸3600万ドル(約43億円)で契約した菊池雄星投手が15日(日本時間16日)、キャンプ地のフロリダ州ダンイーデンで入団会見に臨んだ。メジャー4年目を迎える左腕は、西武時代にも背負った「16」のユニフォームを身にまとい、今季に懸ける意気込みなどを語った。
◆【実際の映像】早速ブルージェイズのユニフォーム姿も披露 英語で新天地のファンに挨拶する菊池雄星
■持っているボールはエリート級
去就が注目されていた菊池だが、どうやら早い段階でブルージェイズ入団に傾いていたようだ。決め手の一つとなったのは、チームが菊池のために制作したPRビデオ。そこには、トロントの街やクラブハウスの様子に加え、チームメートとフロントスタッフらによる入団歓迎のメッセージなどが収録されていた。菊池はシーズン終了後、間もなくこれを受け取っており、電光石火のラブコールは胸を打ったようだ。
地元紙「トロント・スター」によると、菊池は「スタッフからのコメント、選手からのコメント、スター選手からのコメントは、私にとって本当に大きな意味を持ちました」と話し、熱烈オファーに心が動いたことを認めた。そもそもブルージェイズは2018年、菊池が西武を退団し、メジャー移籍を表明した時から獲得に動いていた経緯がある。チームはマリナーズでの3年間を見て、その実力を確信し、再度アタックしたわけで感慨もひとしおのようだ。
会見に同席したロス・アトキンスGMは興奮を抑えきれず、「才能が物語っている。持っているボールはエリートクラス。間違いなくチームにフィットする。我々は菊池雄星というアスリートに格別の自信を持っている。彼の未来はとてもとても明るい」と熱く語った。
また、この日ブルペンで菊池の投球を見たピート・ウォーカー投手コーチも絶賛。MLB公式サイトによると、同コーチは「彼はオールスター選手で、すごい投球をしていた。彼は速球、スプリッター、変化球、素晴らしい球を持っている。今はとりあえず、いつものように投げてもらって、どこかのタイミングで我々の意見を伝えたいと思う」と話したという。
昨季、好調なスタートを切った菊池だったが、シーズン最後の2カ月間は10試合に登板して1勝3敗、防御率5.48と苦戦を強いられた。特に9月は4試合に登板して0勝2敗、防御率7.82という悲惨な成績だった。報道陣からこの点を問われた菊池は「後半戦、なぜ思い通りにいかなかったのか、自分でもよく分かっている」と話し、オフシーズンに細かく調整してきたことを付け加えた。そして、「開幕から良い状態で行けるように準備してきた」と自信を見せた。
プレーオフ進出はもとより、ワールドシリーズ制覇も狙えるチームに加わった左腕は、首脳陣の高評価に応えることができるか。昨季前半の調子を取り戻すことが、まずクリアすべき課題だ。
◆ブルージェイズの菊池雄星獲得に期待と不安「最高のローテ完成」「評価が難しい投手」米メディア指摘
◆「クレイジーだ」キャンプイン前日からの大谷翔平フィーバーに米メディアもあ然 水原一平通訳の“辞職”も話題
◆パドレス入り報道を否定した鈴木誠也、カブスと面談へ「6~7チームがいまだ候補」米メディア指摘
文・SPREAD編集部
A special message from Yusei Kikuchi □ pic.twitter.com/VxbkMq3w6H
— Toronto Blue Jays (@BlueJays) March 15, 2022