【競馬】エリザベス女王杯 有力馬の追い切りジャッジ&追い切りから狙える穴馬プラスワン! | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【競馬】エリザベス女王杯 有力馬の追い切りジャッジ&追い切りから狙える穴馬プラスワン!

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【競馬】エリザベス女王杯 有力馬の追い切りジャッジ&追い切りから狙える穴馬プラスワン!
  • 【競馬】エリザベス女王杯 有力馬の追い切りジャッジ&追い切りから狙える穴馬プラスワン!

“谷間の週”を終えて、今週末の「エリザベス女王杯」から怒涛のGI連戦が再開。ホープフルS、いや東京大賞典まで続く2020年で最も競馬が盛り上がるシーズンをまずは勝利でスタートしたいというのは、皆さんの願いでしょう。

このレースの有力馬について、中間調整と最終追い切りのジャッジをお届けします。最後には「プラスワン」として調整面から狙える穴馬もご紹介。

みなさまの重賞攻略のお役に立てば幸いです。どうぞご参考になさってください。

■ラッキーライラック

【中間調整】昨年はヴィクトリアマイルから休養し、府中牝馬Sで復帰、中3週のエリザベス女王杯を勝利という臨戦過程。今年はガラッと変化し宝塚記念から中7週で札幌記念、そして3カ月ぶりのぶっつけで連覇の掛かるここへ。まるっきり異なるローテに一抹の不安も感じるが、前哨戦を使わず直行というのは当初の予定通り。間隔が開いても力を出せるタイプだし、GI3勝で斤量を背負わされる前哨戦で変に消耗するよりは、一発勝負で連覇を狙いにきたようだ。陣営にとっては同様に一発勝負で凡走に終わった3歳時の秋華賞の借りを返すチャンスとも言える。その秋華賞は本数不足で満足のいかない仕上げだったようだが、今回は10月14日の初時計以来、本数・内容ともに充実の稽古をこなせている。1週前は中山記念以来となる久しぶりの併せ馬。相手をあっさりブッ千切ってしまって体を並べる格好にはならなかったが、実戦勘を取り戻すにはこれで十分だろう。

【最終追い切り】新コンビを組むC.ルメール騎手を背に栗東CWで3頭併せ。前週の併せ馬で体を並べなかったことから、追加で併せ馬をこなしたということか。体調面やテンション面に不安があればできないチョイスで、心身ともにすこぶる良好ということだろう。直線では最内に進路を取り、自らバランスを修正しつつ走る。ギアにいい意味での“遊び”があり、鞍上の指示にどうとでも反応できる状態だった。結局促された程度で最先着。操縦性の高さ、反応の良さにルメール騎手も驚いたのではないか。

【見解】昨年とは異なる臨戦過程で調整過程も異なるが、その点はすべて織り込み済みで周到にやれている。最終追いは気迫の上乗せとルメール騎手に感触を確かめてもらうという、2つのミッションが課せられていたが高いレベルで鞍上鞍下が応えてみせた。常に稽古で走るタイプではあるが、これだけ動かれると主役の座は不動と言うしかない。

総合評価「S」

■ノームコア

【中間調整】札幌記念を制した後、この馬も秋前哨戦は使わずエリザベス女王杯直行。ノーザンファーム天栄から10月22日に帰厩し、中間の初時計は10月25日。以降、薄味の調整が続くがそれだけ牧場である程度まで仕上げられたということだろう。1週前の追い切りでやや反応の鈍さを感じさせたが、11月7日の土曜追いで負荷を足せたあたりは体調面が良い表れか。

【最終追い切り】美浦ウッドで単走。行きっぷりは上々で、馬全体の雰囲気はかなりシャキッとしてきた。1週前に馬を追いかけさせ、土曜に追加で脚を伸ばされた効果が如実に出た格好か。関西への輸送を控えた当週ながらラストはステッキが入った。繰り返しになるが体調への信頼は相当なものだ。

【見解】牧場でしっかりやり、厩舎では微調整、微修正に徹する調整過程。1週前の攻めで思ったほど動かずヒヤリとさせたが、土曜追いで調整してくるあたりは“厩舎力”の高さと言える。まだ若干良くなる余地は感じるが、恥ずかしくない競馬はできるのではないか。

総合評価「B」

■ラヴズオンリーユー

【中間調整】4カ月半ぶりの前走・府中牝馬Sが5着。そこから中3週での臨戦となる。ぶっつけでも力を出せる馬ではあるが、やはり本来は使われて調子を上げるタイプ。前走は1週前だけ格好のつく時計を出し、直前では14-14に毛が生えた程度のソフト仕上げだった。そこを使われて目論み通り急上昇といった雰囲気。体質に難しさがある馬で、中3週の臨戦なら1週前追い、レース当週追いで留めたいはずだが、2週前にあたる10月29日に坂路でラスト2Fを13秒0-12秒4とキチッと加速する調整ができていたのは好感が持てる。ようやくいい頃の雰囲気に戻ってきたか。1週前はこの馬らしいコース単走での猛時計。上積みはありありといったところ。

【最終追い切り】実質の本追い切りはコースで猛時計を出した1週前調教。ゆえに最終追いは坂路で単走・馬なりと静に徹し微調整となった。柔軟で跳びの大きい、いかにも素質の高さを感じさせる走り。こじんまりした感のあった前走時と比較して、可動域が広がったような印象も。軽く促された程度でラスト1Fは12秒を切ってきた。充実一途。

【見解】体質の弱さに泣かされてきたが、久々にここまでの状態で使えるのがなにより。さすがにオークス時ほどの唸るような雰囲気にはあとひと息というところだが、ここしばらくでは一番いい気配ではないか。

総合評価「A」

■プラスワン! ソフトフルート

【中間調整】秋華賞で9番人気ながら3着と好走。外々を追い上げる厳しい競馬でダメージは少なからずあったはずだが、案外回復が早かったのかここへの参戦を決定している。10月28日の中間初時計こそ様子見程度だったが10月31日に終いをしっかり伸ばされると、1週前はコースで長めから追われまずまずの伸び。好気配をアピールした。

【最終追い切り】前週同様、栗東CWで単走。前に僚馬を見る形だったが、併せにいかずジッと我慢させる。ここで力むことなくスムーズに走れていたあたり、精神面の良好さが見て取れる。最後は手綱を緩められ、楽に脚を伸ばしたがラスト1F12秒2と秀逸な切れを見せた。

【見解】GI後とあってお釣りなしと思いたくなるが、この調整過程なら問題ない。落ち着きがありレース前に変に消耗することもなさそうで、持ち味である自在性と瞬発力を古馬相手のGIでも発揮してくれそうだ。

総合評価「A」

著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター

競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当している。

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