1月9日、フリークライマーの野口啓代選手がインスタグラムを更新し、東京五輪代表として臨む2020年への抱負を綴った。
「東京五輪で引退する」と明言している野口選手にとっては、現役ラストイヤーでもある。
キャリア集大成となる東京五輪
野口選手は広告代理店『電通』の年賀会に出席したと報告。フリークライミングからは男子代表の楢崎智亜選手も参加したようだ。野口選手のインスタグラムではマスコットキャラクターを抱いた2人のツーショットがアップされている。
この年賀会には、東京大会の追加種目として争われる空手の選手や、次回パリ大会の追加種目に決まっているブレイクダンスの選手も出席。
他競技との交流を野口選手は「これまではほとんど他競技の選手との交流がなかったのですが、最近は他競技のアスリートからも沢山の刺激を頂けて嬉しいです」と喜んだ。
東京オリンピックに向けた盛り上がりを感じたという野口選手は、本番に向けて「わたしは、わたしにできる事を頑張ろう」と意気込んだ。
引退も覚悟の世界選手権で五輪代表を勝ち取る
小学5年生でクライミングに出会った野口選手は、12歳の時に出場した全日本ユース選手権で中高生を押しのけ優勝。天才少女出現と注目された。その後も世界選手権のリードで銅メダル、ボルダリングでは4度のワールドカップ(W杯)年間王者に輝いた。
日本のクライミング界を先頭で引っ張ってきた野口選手だが、2015年8月に左脚を負傷してからはスランプに陥った時期もある。引退も考えた野口選手を踏みとどまらせたのは東京五輪だった。
2016年8月にスポーツクライミングが五輪の新競技に決定。「ずっと応援してくれていた人たちに、東京オリンピックで自分のクライミングを見せたい」と現役続行を決意した。
復活した野口選手は2019年8月の世界選手権で銀メダル。「ここで五輪出場が決まらなければ引退する考えもあった」大一番で『日本人最上位かつ7位以内』の基準を突破。代表内定を勝ち取った。