ボクシングのWBA世界ミドル級タイトルマッチが12月23日に行われ、王者の村田諒太選手が同級8位のスティーブン・バトラー選手に5回TKO勝ちして初防衛に成功した。
バトラー選手は試合が決まった時点ではWBOの同級ランク1位に君臨し、指名挑戦試合でWBOタイトルに挑戦する可能性もあった。
そんな若手のホープを一蹴した試合後に、村田選手は「リアルな相手とやりたい」とトップ選手との試合を熱望した。
Ryota Murata overwhelms Steven Butler early and doesn’t stop, en route to a 5th round TKO in Yokohama, Japan! Murata carries his WBA Middleweight strap into 2020 with eyes on unifying in a loaded 160-pound field of champions … #MurataButler pic.twitter.com/AJ84ur2L6X
— Top Rank Boxing (@trboxing) December 23, 2019
調子が良すぎて倒してやろうと空回り
バトラー選手は村田選手のことをよく研究していた。王者の強打を恐れることなく打ち合い、村田選手の右の打ち終わりに自分の右を返していく。バトラー選手のキレ味ある右が何度か村田選手の顔面を捉え、左まぶたが痛々しく腫れる。
だが経験で勝る村田選手は、プレッシャーをかけながら徐々にバトラー選手を追い詰め、最後は得意の右ストレートから左のフックで倒した。
試合後のリングインタビューで村田選手は「控え室で調子が良すぎて、これなら倒せるという気持ちがどうしても湧いてしまって、序盤空回りしてヤバいと思った」と苦笑い。
バトラー選手と実際に拳を交えた印象は「ジャブが思ったより強くてビックリしました」とのこと。
2020年は「リアルな」トップ選手と対決
今後について尋ねられると「勝ったあとは気が大きくなるので、あまり言うことじゃないんですけど」としながらも、軽量級のレジェンドだったノニト・ドネア選手と戦った井上尚弥選手を引き合いに出し「みんな思ったと思うんですけど、リアルと戦って欲しいと思うんですよ。だから会長、リアルな試合をお願いします」と強敵とのマッチメークを志願した。
村田選手は2018年10月の防衛戦でロブ・ブラント選手に敗れWBA王座を失ったが、今年7月の再戦で快勝してベルトを取り戻した。
若手のホープと謳われたバトラー選手に勝利したことで、WBA世界ミドル級スーパー・WBC世界ミドル級フランチャイズ王者のサウル・アルバレス選手や、以前から村田選手が目標に挙げてきたIBF世界ミドル級王者ゲンナジー・ゴロフキン選手とのビッグマッチプランが再浮上した。
敗戦のバトラー「この戦いから多くのことを学ぶ」
試合に敗れたバトラー選手は予定していた会見に姿を見せなかった。関係者によれば「身体は問題ないが、精神的に落ちこんでいる」状態だったという。
それでも日付が変わった24日深夜にツイッターを更新して、「この戦いから私は多くのことを学ぶでしょう。サポートありがとうございました」と綴った。
Je vais beaucoup apprendre de ce combat merci à toi du support
I will learn a lot from this fight thanks for support . #TeamButler— Steven Butler (@BangBangButler) December 23, 2019