熱戦が続く『ラグビーワールドカップ2019日本大会(W杯)』。
日本代表はプール初戦のロシア戦に30-10で勝利すると、第2戦では当時世界ランキング2位(2019年10月13日時点では4位)の強豪アイルランド戦にも19-12で勝利。先日(10月5日)行われた第3戦サモア戦では38-19で勝利し、見事3連勝。
第1戦と第3戦では、4トライ以上で得られるボーナスポイントも獲得し、現在の勝ち点は14。史上初のベスト8進出が大きく近づいた。
そんな日本代表の司令塔を務めるのが、正確なパスやキック、創造性豊かなプレーが持ち味のSO(スタンドオフ)、田村優選手だ。
高校では3年連続で全国大会出場 大学では1年から試合に出場
田村選手は愛知県出身。元ラグビー選手の田村誠さんを父に持つ。中学まではサッカーに打ち込み、父からラグビーを強制されることはなかったというが、高校からラグビーを始めることを決意。
親元を離れてラグビーの強豪・國學院栃木高校に進学するとすぐさま頭角を現し、高校では3年連続での全国大会出場に貢献。大学は名門・明治大学に進学して、1年生からSOとしてチームを引っ張った。
プロ入り後はサンウルブズでも活躍
大学卒業後はNECグリーンロケッツに入部。チームの中軸として活躍した。2017年からはキヤノンイーグルスに所属。ラグビーの国際大会『スーパーラグビー』に出場する日本チーム、サンウルブズにも4年連続で選出されている。
選手としてのモットーは「厳しい練習をし、努力した上で試合を楽しむ」こと。日本代表のジェイミー・ジョセフHC、トニー・ブラウンコーチからは「日本で一番のSO」と評価されている。
W杯は2度目でプール3連勝に大きく貢献 得点王も視野に
日本代表には2012年4月に初めて選出され、2015年のW杯にも出場。今大会は自身2度目のW杯となる。通算の代表キャップ数は61(2019年10月7日現在)。
前回大会では控えに回ることが多かったが、今大会では司令塔として大活躍。トリッキーな判断で相手ディフェンスを翻弄し、正確なキックで得点を量産する。
得点数はここまでの3試合で10PG、5ゴール、合計40得点。現時点で大会得点ランクの首位にも立っている。前回大会で五郎丸歩選手が打ち立てた日本選手のW杯通算最多得点、58点の更新も射程距離に収める。
メディアにも多数出演 オフには沖縄にも
田村選手はメディアへの出演も多く、ランドローバーのブランド・アンバサダーへの就任や、歌手・岡本真夜さんの「君だけのStory」のミュージックビデオにも出演。ラグビー以外でも活躍を見せている。
また母が沖縄出身ということもあり、オフに沖縄を訪れる様子がインスタグラムに投稿されることも。
快進撃を続けるラグビー日本代表。10月13日に行われる第4戦では前回大会で敗北を喫したスコットランドといよいよ激突する。4年越しの雪辱を果たしベスト8進出を確実なものにするためにも、田村選手の活躍は必要不可欠だ。