女子スキージャンプの高梨沙羅選手が、『Red Bull Box Cart Race Tokyo 2019(レッドブル・ボックスカート・レース東京2019)』に審査員として登場。2022年2月に開催される北京冬季五輪に向けての意気込みも語った。
2014年のソチ五輪ではメダルを逃したが、2018年の平昌五輪では銅メダルを獲得した高梨選手。現在はさらなる高みを目指し、様々なチャレンジを行っていると話す。
『おバカなレース』を審査 「人を楽しませようという姿勢がすごい」
取材を行った10月6日、高梨選手は手作りカートで創造性やタイムを競う『Red Bull Box Cart Race Tokyo 2019(レッドブル・ボックスカート・レース東京2019)』に審査員として登場。
同イベントは動力を持たない手作りのカートで、カーブやジャンプ台などの障害物が設置された坂道コースを走行するレース。『タイム』だけではなく、『カートの創造性』『レース前のパフォーマンス』を含めた3つの基準で順位を競い合う。
「スピード感がある中で、走りながらパフォーマンスをしていて、常に人を楽しませようという姿勢がすごいなと感じました」
大会主催者が『おバカなレース』を自称するが、高梨選手はあくまでマジメに審査。
「コース途中にはジャンプ台もあって楽しそうだなとは思うんですけど、やってみたいなとは思いませんでした」
この日は動力をともなわないカートだったが、モータースポーツにはかつてから興味があり、一度レースを見てみたいと思っていたという。
「父が好きでいろいろ話を聞かされた記憶があって、ぜひナマで自分の目で見てみたいと思っていました。父がエンジンのことについて話をするんですけど、なかなかよく分からなくて……ただいろんな話を聞かされました」
「プロのみなさんのレースを見てみたいなと思っています。ベタではあるんですけど、F1は見てみたいです」
高梨選手自身もジャンプ競技場に向かうときは自分のクルマを運転し、ドライブすることがとても好きだという。
レース中には雨もぱらついたが、「雨の中でもたくさんの声援があるから、出場チームの皆さんはゴールに向かっていけるのかなと感じました。自分も声援を力に変えて、いいパフォーマンスができるようにしたいです」と語った。
2022年の北京五輪に向けて
10月8日で23歳を迎えた高梨選手だが、ジャンプ競技における真摯な姿勢は頭角を現した頃からまったく変わっていない。
「オリンピックを終えて1年目のシーズンは、ゼロからのスタートというとこともあってなかなか上手くいかないこともあるんですけど、そこからいろんなチャレンジをすることで引き出しは増えていると手応えを感じています。それをしっかりと滑りにつなげていきたいです」
まずは自分自身のフィジカルな部分、精神的な部分を客観的に見つめ直し、その上で自分に合ったやり方を見つけていく。夏場はそんな地道な作業を繰り返した。
ジャンプ台でのスタートの仕方、足の置き方、ジャンプ時の走路のとらえ方など、すべての要素を洗い出し、陸地トレーニングの課題を明確にして、フォームや動きを変える。その積み重ねが今「つながりつつある」と高梨選手は話す。
「いろんなことに挑戦しながら北京オリンピックに臨めればいいなと思います。今シーズンの目標としては、空中のところまで目を向けて考えられれば良いなと」
ラグビー日本代表の躍進は「同じアスリートとして嬉しい」
現在開催中のラグビーワールドカップ日本大会の熱気や、2020年の東京五輪に向けた盛り上がりは肌で感じているようだ。
ラグビーの日本戦は用事があって見られなかったというが、日本代表の活躍は同じアスリートとして嬉しいという。
東京五輪で興味のある競技について質問を受けると、「せっかく日本で開催されるオリンピックなので、ひとつでも多くの競技を見にいってみたい」とした上で、「ジャンプ競技は夏の試合もあるので、そこで日程が重ならないところは見てみたいです」と回答。
またオリンピックの観戦チケットについては「ひとつも当たりませんでした」とのこと。「開会式、陸上とスケボーの抽選に申し込んだんですが、ダメでした」と残念がった。
≪山口和幸≫