永里優季が日本代表を離れて感じたこと「仲間のため、身近な誰かのために」【#1】 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

永里優季が日本代表を離れて感じたこと「仲間のため、身近な誰かのために」【#1】

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永里優季が日本代表を離れて感じたこと「仲間のため、身近な誰かのために」【#1】
  • 永里優季が日本代表を離れて感じたこと「仲間のため、身近な誰かのために」【#1】

2011年、サッカー女子W杯で初優勝を果たしたなでしこジャパン。


男女通じて初となる快挙に日本国民は熱狂。出場したメンバー・監督には国民栄誉賞が与えられ、翌年に行われたロンドン五輪でも銀メダルという好成績を収め、日本中になでしこ旋風を巻き起こした。


そんな活躍を見せたなでしこジャパンのストライカーとして、16歳から日の丸を背負ってきたのが永里優季選手だ。2011年のW杯でも全試合に出場し、グループリーグのニュージーランド戦では1ゴールを挙げた。


永里選手はプロとしてのキャリアをドイツで開始し、その後はイギリス、アメリカ、オーストラリアと海外リーグを経験。国際経験豊富な、日本のトップストライカーとして名を馳せている。


現在は日本代表から遠ざかりながらも、W杯へ向けて代表復帰を期待する声も多い永里選手に、「日本代表」「目標」について話を伺った。


≪#2,3はこちら≫
永里優季が新しい環境に溶け込む際、意識していることとは【#2】

永里優季、ピッチ外での素顔は?「最近バンド活動を始めた」【#3】


日本にはもっともっと可能性がある


ー:2018年、ヤングなでしこ世代がU-20W杯で優勝しましたが、今の若い世代にはどんな印象をお持ちですか?


永里優季選手(以下、敬称略):U-20のW杯は結構見ていたんですよ。技術に優れている選手も多いし、サッカー選手に必要なインテリジェンスとスキルの部分も高いものを持っている選手が多いと思います。


それにプラスしてフィジカルだったり、メンタリティがさらに上がってくると、日本にはもっともっと可能性があるんじゃないかなって感じました。


ー:2011年のW杯優勝時のチームとはまた違った雰囲気を感じていますか?


永里:今の若い子はうまいですからね(笑)。でも、チームとしての一体感であったり、同じ目的に向かっていくところだったり、それがちゃんと形になって優勝に結びついていた部分は、(2011年時の)自分たちと同じところがあるのかなっていうのは感じました。



「できないことをできるようにする」


ー:2019年は女子W杯、東京五輪前年という年になります。今年の目標を教えてください。


永里:これまではずっと目標を定めてやってきたんですけど、ある時、自分の中で目指したいものがなくなっちゃったんですよ。「自分って何のためにサッカーやっているんだろう」っていうところまでいきました。


そこから自分自身が何に喜びを感じるかっていうことを3年くらい探って、やっと辿り着いたのが「自分自身の成長」でした。


「できないことができるようになる」っていうのはすごく嬉しいし、それがあるからサッカーを続けているんだなって思うので。


だから今は、その「できないことをできるようにする」を目標にやっていきたいなと思っています。


ー:今できるようにしたいことは何ですか?


永里:自分のこれまでの得点パターンは、ダイレクトシュートであったり、クロスに合わせてとか、そういったシュートが多く、自分で展開してゴールを決めるという形があまりなかったんです。


最近はその得点パターンを増やすように取り組んでいて、それがやっとこの間、オーストラリアのシーズンで出せるようになってきたんです。


あとはシュートのバリエーションを増やして、飛距離を伸ばして、海外の選手がよく決めているようなミドルレンジからの強烈なシュートを試合で決められるようにしたいです。



自分のためではなくて仲間のためだったり、身近な誰かのために頑張りたい


ー:永里選手の代表復帰を願うサポーターも多いです。「日本代表」についてはどうお考えですか?


永里:心がついていかなくて、自分の方から監督に「しばらくクラブの方に専念させてください」と言ったのがちょうど3年くらい前。


どう代表と向き合っていくかが分からなくて、その整理もつかないままやっていくのも自身が納得できなかったので、一度代表から離れることを決めました。


代表から離れてみて良い意味で解放されて、また違う景色が見えるようになってきて……。サッカーでの新たな目的も見つけることができました。パフォーマンスも上がっていきましたし、代表への見方も徐々に変わりました。


16歳の時からずっと代表でやってきて、国を背負って戦うのが当たり前の状況だったので、その意味をゆっくり考えたことがなかったんですね。


やはり一度離れてみて思ったのは、「日本代表」は特別な場所だということ。色々な責任や覚悟を持って戦わなければならない場所だということを改めて感じました。


もしそういう機会がまた自分にも与えられるのであれば、自分のためではなくて仲間のためだったり、身近な誰かのために頑張りたい。小さなところでもいいから力になりたい。


そういった意味で必要とされるのであれば、もちろん喜んで、その人たちのために尽くしたいと思っています。


≪#2,3はこちら≫
永里優季が新しい環境に溶け込む際、意識していることとは【#2】

永里優季、ピッチ外での素顔は?「最近バンド活動を始めた」【#3】


永里優季 プロフィール



  • 生年月日   1987年7月15日

  • 出身地    神奈川県厚木市

  • 身長     168cm

  • 体重     58

  • サッカー歴  林サッカークラブ→⽇テレ・メニーナ→⽇テレ・ベレーザ→1.FFCトゥルビネ・ポツダム→チェルシーレディースFC→ヴォルフスブルク→ 1.FFCフランクフルト→ シカゴ レッド スターズ→ ブリスベン・ロアー → シカゴ レッド スターズ

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