アジアカップ・ノックアウトステージベスト16でベトナム代表と対戦し、1-0で辛勝した日本代表。準決勝では、イラン代表と対戦する。
そのイラン代表の注目選手は、「イランのリオネル・メッシ」という異名を持つFWのアズムン選手。アジアカップでは、準決勝までの5試合で4ゴールを決めた。
このアズムン選手、幼少期はバレーボール選手として活躍していたという驚きの経歴を持っている。
父親はバレーボール元イラン代表
1995年1月1日にイラン・ゴレスターン州のゴンバデ・カーブースで生まれたアズムン選手。
アズムン選手の父親カリル・アズムンさんは、バレーボールの元イラン代表選手だ。現役引退後はJavaheri Gonbad VCなど複数のチームで監督を務めた経歴を持っている。
指導者の父が身近だったアズムン選手は、幼少時代からバレーボールの練習を積んでいたという。
サッカーを始めたのは、9歳のとき。地元のゴンバデ・カーブースにあるクラブOghab Gonbadでサッカーに触れたことがきっかけだった。
バレーボールのスキルがサッカーに活かされている?
9歳からはサッカーの練習も本格的に始めたが、バレーボールを辞めることはなく、どちらもプレーし続けた。いわゆる“二刀流選手”だったといえるだろう。
そのため、アズムン選手はバレーボールU-15イラン代表にも選出されたことがある。結局、2010年にセパハンFCの下部組織に移籍するときまでバレーボールを続けた。
アズムン選手は2015年から2シーズンに渡って、ロシアプレミアリーグのロストフでプレー。
ロストフのドミートリー・キリチェンコ監督は、「サルダルはポジショニングスキルが優れている。僕が思うに、それは彼の遺伝子によるものだと思う。彼の両親は、バレーボールを本格的にやっていたからね」と称賛している。
バレーボールで身につけたスキルは、サッカーでも活かされているようだ。
一時は代表引退を表明したが、監督の説得もあり復帰
アズムン選手は14歳からイランの年代別代表で活躍。2014年にA代表入りを果たすと、2015年のアジアカップでは2ゴールを記録した。
ロシアW杯には3試合に出場。しかし、出場試合でゴールを決められなかったことなどを理由にSNS上で批判の的となってしまう。その中には自身の母親を批判する内容も含まれており、ショックをうけたアズムン選手は一時代表引退を表明したとのことだ。
しかし、イランサッカー協会の説得もあり、2018年の11月に代表復帰。以降はアジアカップでも活躍を続けている。