この日は、ヤンキースの田中将大投手を中学時代に指導し、イチロー選手の専属打撃投手をつとめた経験もある宝塚ボーイズ監督・奥村幸治氏が出演した。
「田中将大の生みの親」とも呼ばれ、それまでキャッチャーだった田中選手にピッチャー転向を勧めた人物でもある。
◆ 田中将大は「プロになると全く思わなかった」
宝塚ボーイズ時代、読売ジャイアンツの坂本勇人選手とバッテリーを組んでいた田中選手を、奥村氏は「坂本はプロになるんだろなぁと思っていたけれども、マーくんは全く思わなかったですね。動きも鈍かったし」と振り返った。
ピッチャー転向を勧めたのは、田中選手が「コントロールが抜群でボールさばきも器用」かつ「両親の体格がよかった」からだという。
「田中選手はどんな子どもだった?」と聞かれると、「初練習でグローブを忘れてきた」というエピソードを暴露。
「もじもじして、涙を浮かべて『グローブ忘れました』と言ってきて。『えっ、初日から?』と。そんな子一人もいなかったですね(笑)」
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続けてこんな仰天エピソードも。
「中学二年生の秋。もっと三振を取りたい、スライダーを覚えたい」と告げてきた田中にスライダーを実際に教えたら「すぐに曲がった、僕より(笑)」
この奥村氏、オリックスブルーウェーブにテスト入団し、のちイチロー専属の打撃投手に抜擢された経験を持つ。
◆ イチローの”恋人”?
ちょうど奥村氏がイチローの打撃投手を担当し始めた1994年、イチロー選手はシーズン210安打の日本新記録を打ち立てた。その時、メディアからは「イチローの恋人」という肩書きで奥村氏にスポットライトが当たりだしたのだとか。奥村氏は懐かしむように”恋人”らしいエピソードを明かした。
「たまたま僕が投げれない日が1日あったのですが、イチロー選手が『今日はヒットを打たなくていいんですね。僕は奥村さんのボールで毎日結果が出ている。今日僕のスタイルが変わります』と言ってくださったんです」
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◆ お宝イチローグッズの値段は1020万円!?
新シーズン210安打の新記録をイチロー選手が打ち立てたこの年、奥村氏はイチロー選手から記念にユニフォームやサイン入りバットなどをプレゼントされたという。これらのアイテムを、鑑定歴25年、スポーツグッズ鑑定の第一人者である前野重雄氏が鑑定した。
「これぞ本物というものの羅列。最高ですね!鳥肌立ってます」とお宝アイテムに驚愕の前野氏。
最終的な鑑定額は、奥村氏が予想した500万円を大きく上回る1020万円。ホーム用ユニフォーム、ビジター用ユニフォームがそれぞれ400万円、直筆サイン入りバットが120万円、「鈴木」刺繍入りグローブが100万円という結果だった。
この結果に、「改めて素晴らしい選手に出会ったと思っています。『困ったら売る』と言ってしまいましたが、大切に持っておきたいと思います」と語った。