見えない格差なくしたい…ヤフー、視覚障がい者向け選挙情報サイト開設 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

見えない格差なくしたい…ヤフー、視覚障がい者向け選挙情報サイト開設

「選挙はみんなに平等である、はずなのに。残念ながら、視覚障がい者は、参加の障壁を感じていました」

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視覚障がい者向けの選挙情報サイト「Yahoo! JAPAN 聞こえる選挙」公開初日会見(筑波大学附属視覚特別支援学校、6月22日)
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「選挙はみんなに平等である、はずなのに。残念ながら、視覚障がい者は、参加の障壁を感じていました」

東京都議会議員選挙が告示される前日の6月22日、ヤフーは、視覚障がい者向けの選挙情報サイト「Yahoo! JAPAN 聞こえる選挙」(https://kikoeru.yahoo.co.jp)を公開。これにあわせて同日、筑波大学附属視覚特別支援学校(東京都文京区)で、開発陣によるサイト説明・体験会を実施した。

同社マーケティング&コミュニケーション本部 鈴木宏一氏と、同サイトの企画監修を務めたNPO法人ダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパンに所属する視覚障がい者・桧山晃氏が登壇。ヤフー鈴木氏は冒頭、都議選に向けた「聞こえる選挙」を新設した背景についてこう伝えていた。

「視覚障がい者の91.7%が、インターネットを利用しているが、そのほとんどが、音声による画面読み上げソフトを使用してネット上の情報を得ている」(鈴木氏)

「でも、選挙情報で重要な『選挙公報』などは、画面読み上げソフトでは読み上げられない『画像化されたPDFファイル』による掲載が義務付けられていることから、全国に10万人以上いる視覚障がい1級の人などは、インターネット上の選挙公報から情報を取得することが難しいという課題があった」(鈴木氏)

◆アンケートから見えてきた投票意欲

同社は、視覚障がい者34名にアンケートを実施。そのなかの6割以上が投票に積極的で、今回の都議選については9割が投票の意向を示した。

こうした参加ニーズの高まりのいっぽうで、投票に積極的でない人にその理由を聞くと「立候補者の情報や投票会場がわからなかった」「選挙立候補者の情報がないので、投票意欲がわかない」といった声があった。

また、選挙情報の現状への不満や、情報格差について言及する声もあった。「ネットで選挙の情報を知りたいが、選挙に関する情報をかんたんに調べられるサイトがない」「基本的に、すべての選挙で健常者と同じ情報が得られるようにする必要がある」などの声だ。

◆導線は健常者と障がい者の2本

こうした声をもとに、ヤフーは「工期2か月ほど」(鈴木氏)で同サイトを構築。都議選へ向けた「聞える選挙」に向け、同サイトでは2つの導線を設定したという。

「まずひとつは、健常者へ向けて、視覚障がい者の現実を知ってもらうこと。視覚障がい者が、実際にどのような音声で情報を取得しているかを、このサイトで疑似体験してもらう」(鈴木氏)

「もうひとつは、視覚障がい者が、健常者と同じ選挙情報を得られるよう、テキスト読み上げによって『候補予定者を知る』『マニュフェストを比べる』『政策アンケートの結果』『都議選コラム』といった情報を得られるようにしたこと」(鈴木氏)

発表会では、テキスト読み上げソフトによって流れる言葉を音声で紹介。そのあまりの速さに、記者陣はみな驚いた。

視覚障がい者たちは、文字を黙読するスピードと同じか、それ以上の速さで読み上げられたテキストを聞き、理解しているのだ。

◆驚愕の読み上げ速度「必要な情報をシンプルに」

今回、ヤフーとタッグを組み、同サイトの企画監修を務めたNPO法人ダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパンの桧山氏は、このようなサービスの今後についてこう語っていた。

「必要な情報を、ぜんぶテキスト化してもらいたい。画面として記された文字は、読み上げができないから。そしてほんとうに必要な情報だけを、シンプルに掲載してほしい」

「今回の『聞こえる選挙』サイトをつくるにあたっても、『現状のウェブサイトは、いろいろ情報があって、いまどこにカーソルがあるか、シンプルな必要な情報だけが載っていてほしい。(ページ左上の)最初のほうに、初期状態で入ってこれるように』と伝えた」

桧山氏が実際に、『聞こえる選挙』を触っていく姿も紹介された。読み上げるテキストが速い上に、カーソルを移動させて、カテゴリを決定してクリックして、さらに次の層の情報へと向かっていくその姿は、記者陣の目と耳では追いつけないほど。

最後に、「こうしたサイトが今後、東京オリンピック・パラリンピックに向けたサービス展開などに応用できるか」という質問に対し、ヤフー鈴木氏は、「アクセシビリティという観点から、こうした視覚障がい者の声は、あらためて重要と感じたが、まだトライアル段階。まだまだこれから」とも話していた。



《大野雅人》
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