【小さな山旅】標高250mの高山…栃木県・両崖山~天狗山(1) | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【小さな山旅】標高250mの高山…栃木県・両崖山~天狗山(1)

オピニオン コラム
両崖山登山道の途中の岩場から。
  • 両崖山登山道の途中の岩場から。
  • 織姫公園からして、見晴らしがいい。
  • 気持ちのいい登山道。
  • ごつごつした岩があちこちに。
  • 高山ほど危険はなく、低山で高山感が味わえる。
「低山だけど、低山じゃない」

これは、栃木県足利市にある両崖山を歩いて得た感想だ。

両崖山は標高251mの立派な低山である。だが、織姫神社から始まる登山道を歩いていたら、いつもの低山ハイクでは抱かない感情を抱いた。

両崖山の登山道は、尾根沿いを歩く道で広くて歩きやすく、開放的。時おり後ろを振り返ると、足利市の町並みが広がり、町中を流れる渡良瀬川も確認できる。眺める向きを変えれば、これから登るであろう天狗山からの連なりが見渡せる。標高が標高だけに、街の家々は近い存在に見えるのだが、景色の横の広がりがすばらしく、何度も振り返っては眺めてしまう。

いつもの低山では、登山中に良好な展望があることなど滅多になく、下手をすれば頂上に登っても展望がまったくないこともある。それに比べると、両崖山の登山道はとても開放的で、高山感に溢れていた。

気持ちのいい登山道

両崖山の非低山的=高山的な要素は他にもある。地面がいつもと違う。低山らしい湿り気がなく、乾いている。少しザレっぽい感じ。それはまるで、森林限界を越えた高山ような……視界を狭めて周囲の木々の景色を排除すれば、そのように見えなくもない。少なくとも、部分的には(道だけは)高山的である。

ところどころに岩場もある。やはり岩の割合が高いと高山っぽさはかなり出る。岩によじ登って周囲を見渡せば、宙に浮いているような感覚が。気分は高山そのものである。

ごつごつした岩があちこちに

その素晴らしいロケーションは多くの人を惹きつけるようで、その日もたくさんの登山者とすれ違った。いつも歩く低山は、人っ子ひとりいないこともあり、その中を筆者一人で歩くことも多いというのに。人気の高さも、高山っぽい。

このように、両崖山には、普通の低山よりも高山的な要素が多い。朝早いのが面倒だし、長い距離歩くのは疲れるし、手っ取り早く高山の感動を味わいたい!という天邪鬼な方にはぴったりの低山である(例えば、筆者のような)。
《久米成佳》

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