【インタビュー】高橋みなみが想う“音楽の力”…「音楽はアーティストからの手紙」 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【インタビュー】高橋みなみが想う“音楽の力”…「音楽はアーティストからの手紙」

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高橋みなみ
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ソロ活動を始めて1年が経った。

自身初のアルバムを発表し、年越しカウントダウンライブを行い、歌手として大きくアクセルを踏み込んだ高橋みなみさん。ボランティア×音楽のイベント『RockCorps supported by JT 2017』では、幕張メッセで9月2日に開催されるセレブレーション(ライブイベント)にアーティストとして参加することが決まった。

東日本大震災以来、音楽が持つ力について再評価されている中、アイドルとして、ソロシンガーとして歌を届け続けている高橋さんに、“音楽の力”について聞いた。(聞き手はCYCLE編集部・山本有莉)


--- : 高橋さんが考える“音楽の力”とはどんなものですか?

高橋みなみさん(以下、敬称略):言葉では伝えられないことも、音楽に乗せるとスッと入っていくと思います。震災に遭われた方に「頑張りましょう」と言いたくても言えなかったり、言うべきじゃないと思ったり、色んな気持ちがあります。

歌詞に乗せて伝えることでみなさんにもスッと入り、「頑張ろう」と思うんです。音楽は、アーティストからみなさんに対しての手紙だと思っています。

「頑張れ」って、すごく素敵な言葉ですけど、圧があると思うんです。「頑張ってるし」という気持ちになってしまったり、状況的にその言葉は今言わないでほしいと思う人もいると思います。私もすごく辛い時、ファンの方に「頑張ってください」と言われることが重荷になってしまっていたことがありました。

でも「頑張れ」は漢字を変えると、“顔晴れやかに”という風になるんです。ファンの方からの手紙にその文字を見たとき、「そんなに切羽詰まって聞く言葉じゃないんだな」と思いました。そういう言葉を音楽に乗せることができたら、力になるのかなと思います。


--- : 自身が歌を歌ったり、聴いたりするとき、そういう力を感じた瞬間はありますか?

高橋: AKB48に在籍していたとき、『桜の花びらたち』という楽曲がありました。たくさんのメンバーを送ってきた楽曲でもあり、自分自身も見送られた曲です。新しいスタートはすごく緊張するし、特に卒業したのが4月でしたから。“新しい世界を自分のその手で開くんだ”っていう、未来への期待をこの曲からもらいました。


--- :『桜の花びらたち』は毎回メンバーが卒業する時に歌っていますね。

高橋:やっぱりそれだけ思い入れが深いので。切っても切れないものが『桜の花びらたち』にはあると思いますね。



--- : そもそも高橋さんが音楽の世界に入りたいと思ったきっかけはなんですか?

高橋:きっかけは、ひょんなことなんです。私、幼い頃は歌が好きではなかったんです。でも母が歌っていた中森明菜さんの歌を聴いて衝撃を受けました。「この曲カッコいいな」と思って調べてみたら、すごく若いのに大人びた曲を歌っていたんです。

表現するって素晴らしいと思いました。それで、カラオケに友だちと行って歌ったら、「いいんじゃない?」と言われて。割と単純な感じなんです(笑)。

学生のノリで行くようなカラオケなので、「いいじゃん!」って軽く言われたことを真に受けちゃったみたいな。夢のきっかけは案外そんなものだと思います。


--- : AKB48時代とソロで活動している現在と、歌の伝え方など何か変わったことはありますか?

高橋:心細さはあります。AKB48という大きな看板があって、国民的アイドルと言ってもらえる中でできたこともあったなと確実に思うんです。「AKB48が来た」と思ってもらえることで、できたことがたくさんありました。

個人になって、自分の名前で、みなさんに力を与えられるようなことができているわからないんですけど、自分がやりたい“歌”で、「たかみなの歌聴いて頑張ろうと思った、元気出た」って言ってもらえるように、芯を持って頑張らなきゃって思います。



--- : RockCorpsのセレブレーションで幕張メッセの舞台に立てることはいい機会になりそうですね。

高橋:素晴らしい機会をいただきました。去年は大黒摩季さんのステージに少し出させてもらったんです。一緒にステージを歩いたんですけど、「この景色を自分で作り出せたらどれだけ幸せか」と思いました。今年のセレブレーションの開催が9月なので、それまでにもっと自分自身を高めていきたいと思います。


--- : 去年のRockCorpsでは福島県相馬市にボランティアに行ったそうですが、いかがでしたか?

高橋:仮設住宅ということはもちろんわかっていましたし、2011年から6年経って色々なことが変わってきたと思います。復興への想いももちろんありますが、まだ自分のペースで踏み出させてほしいという人もいます。色んな想いが錯交しているんだなと思いましたし、色んな方にインタビューさせていただいて、やっぱり行ってみてわかる生の声があると感じました。


--- : 今年やってみたいボランティアはありますか?

高橋:自分にもやれることがあると、ボランティアをやっていて気付くんですよね。色んなことに挑戦したいなって思いますけど、何をやるかはまだ決めてないです。

--- : 4月8日に26歳の誕生日を迎えました。今後どのように音楽に関わっていきたいですか?

高橋:貪欲になりました。去年やっとアルバムを出せましたが、歌う機会がたくさんあったわけではなくて。素晴らしい方に素晴らしい楽曲をいただいたにも関わらず、なかなかその曲を広めていく場所がなかった。やっぱり歌う場所がほしいし、歌う場所をいただくためにお仕事を頑張らなきゃいけないと思います。



--- : AKB48が東京ドームを目指したように、高橋さんはどこを目指していますか?

高橋:やっぱり地道な活動をきちんとやった人が強いと思っています。ちゃんと色んな人のところに会いに行くことを規模関係なくやっていく中で、最後にいい景色をみなさんと見れたらなと思います。


■高橋みなみ(たかはし みなみ)
1991年4月8日生まれ、東京都出身。AKB48の第1期メンバーとして2005年から活動し、2016年4月8日に卒業公演を行った。ソロシンガーとして同年10月に1stアルバム『愛してもいいですか?』をリリース。2017年7月15日から全国15都市をまわる全国ツアーを開催する。
《山本有莉》

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