トップアスリートの網膜剥離も力点…眼科医療センターの最先端を見る | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

トップアスリートの網膜剥離も力点…眼科医療センターの最先端を見る

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4月11日開院する「はんがい眼科」を報道公開(2017年4月6日 さいたま市)
  • 4月11日開院する「はんがい眼科」を報道公開(2017年4月6日 さいたま市)
  • 4月11日開院する「はんがい眼科」を報道公開(2017年4月6日 さいたま市)
  • 4月11日開院する「はんがい眼科」を報道公開(2017年4月6日 さいたま市)
  • 4月11日開院する「はんがい眼科」を報道公開(2017年4月6日 さいたま市)
「プロスポーツ選手の網膜剥離治療にも力を入れたい」――さいたま市に4月11日にオープンする「はんがい眼科」が4月6日、報道陣にその最新設備などを公開。

埼玉医科大学客員教授で日本眼科学会プログラム委員の板谷正紀院長が、スポーツ医療の現状などについて伝えた。

ことし4月11日に開院する眼科医療センター はんがい眼科は、3階建てガラス張り、世界初導入の機材などをそろえ、緑内障、白内障、網膜硝子体疾患、黄斑疾患、網膜剥離、一般眼科診察などに対応し、硝子体手術、緑内障手術、白内障手術などを手がける。

報道陣がまず案内されたのは、目の形を調べる屈折検査室。眼内の角膜裏面の曲率もわかるシステムを置く。そのあと、弱視や内斜視を改善するロービジョン視能訓練室、視野検査室・網膜電図室、「糖尿病患者さんにも痛みをともなわない」という最新のレーザー技術を備えたレーザー治療室などを見た。 

板谷院長は、京都大学で網膜硝子体疾患と緑内障の研究・治療などを経て、民間企業と最新診療機器の開発を共同ですすめてきた。「OCT(眼底三次元画像解析)研究分野で長く研究してきた」という板谷院長は、眼底画像検査室を案内し、世界で15台目の導入といわれる機材も見せてくれた。

今回の見学では、「眼底の80%を0.4秒。網膜剥離の危険性を早く知ることができる」「眼底の血流を図る、虚血部分を検視できる」「眼底の血管を造影剤抜きで短時間で検視できる」といった解説があった。

同院のターゲットは、トップアスリートをはじめ、スポーツ医療的見地からの治療が必要なスポーツ選手なども含まれるという。「この時期は、スキー選手が後頭部転倒で網膜剥離になるケースも多い」「ボクシング選手やラグビー選手、力士、レスリング選手、プロレスラーなどの網膜剥離などについても、日帰り手術で対応する環境を整え、できるかぎり早期に社会復帰を目指す」と伝えていた。

さらに、「見える医療」を目指す同院は、医師や看護師、家族などが、同じ4Kモニターを見ながら手術する新たなオペスタイルを具現化。「できるかぎり正確に治療部分を共有しながら、医師の自由度や、家族をはじめ、看護師・学生たちと情報を共有しながら手術を施せる」という。

「眼科は、眼球から血管を間近に見られるから、血管の万人といわれている」と同院。痛みや造影剤を使わない検査を体験した中高年記者は「血圧が高い」という指摘を受けた。板谷院長は最後にこう伝えていた。

「大学で長く診療していたが、眼科には待つ苦痛がつきまとう。『どれだけ待たせるんだ』といった声が多い。眼科は、最初の視力検査から目薬で瞳を開くといった流れだけで数十分から1時間を要するときがある。さらに、いろいろな検査に時間もかかり、やっと医師の診察になる。すべて、すんなりいっても1時間半、2時間もかかる」

「こうした来院者の苦痛を改善させるべく、回遊性を重視したレイアウトに。従来のような、真ん中に受付を設けて放射状に動く流れをやめ、ぐるっとめぐることで来院者の負担を軽減させている」
《大野雅人》

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