「ワールド・ベースボール・クラシック2017」(WBC)第2ラウンドE組の試合が3月12日に東京ドームで行われ、野球日本代表・侍ジャパンがオランダ代表と対戦。延長11回タイブレークに突入した死闘を8-6で勝利した。
まさに死闘と呼ぶに相応しい好ゲームとなったが、印象的な場面のひとつが7回裏の秋吉亮投手(ヤクルト)とバレンティン外野手(ヤクルト)の同僚対決だ。
日本が6-5と1点リードして迎えたこの回、松井裕樹投手(楽天)がマウンドに上がる。菊池涼介内野手(広島)のファインプレーなどもあり、なんとか2死までこぎつけて2死一塁の場面でバレンティンを迎えると、ここで投手は松井から秋吉へスイッチ。同僚がマウンドに上がると、バレンティンも真剣な眼差しの中にもどことなく表情が緩む。
バレンティンは秋吉の投じる外角のスライダーを見極めながら、時に鋭い当たりを飛ばすもファールとなる。秋吉が最後に選んだのは外角のチェンジアップ。これにバレンティンのバットは空を斬り、三振。その後、秋吉の方を爽快な笑顔で見つめながら何か声をかけていたようだ。それに笑顔で応えながらマウンドをおりる秋吉。
救援陣の踏ん張り、そして随所にファインプレーも見られるなど見所の多い試合だったが、秋吉とバレンティンの対決はスポーツマンシップを感じさせてくれる素晴らしい一幕だった。
《浜田哲男》
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