【WBC2017】韓国の窮地を救ったオ・スンファン、唯一のメジャーリーガーに監督も感謝 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【WBC2017】韓国の窮地を救ったオ・スンファン、唯一のメジャーリーガーに監督も感謝

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オ・スンファン 参考画像
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「勝てたことを彼に感謝したい」

ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)1次ラウンド最終戦で台湾に勝利し、次回大会の予選ラウンド行きを免れたあとの会見で、韓国代表のキム・インシク監督は静かに語った。インシク監督が言う彼とはオ・スンファン投手のことである。

セントルイス・カージナルスのクローザーでもある韓国代表の守護神は、台湾との試合で九回裏ノーアウト二塁からマウンドに上がった。二塁ランナーが生還すればサヨナラの場面をオ・スンファンは、ふたつの三振と外野フライで抑えている。

このピンチを切り抜けたオ・スンファンに台湾のウー・フーレン・ベンチコーチも、「我々には九回にとても大きなチャンスがあった。だが韓国のクローザーが良いパフォーマンスをした。彼は本当に傑出したピッチャーだ」と脱帽していた。

十回にヤン・ウィジの犠牲フライと代打キム・テギュンの2ランで勝ち越した韓国は、最後のマウンドもオ・スンファンに託し三者凡退で試合を終わらせた。


メジャーリーグ公式サイト『MLB.com』は九回裏オ・スンファン登板の判断について、「セーブシチュエーションではなかったが重要な局面だった。来ないかもしれない勝ち越し点を待つより、最も必要とするアウトを取るため監督は最高のリリーバーを投げさせた」と伝えている。そして、こうしたクローザーの起用法は、最近のMLBポストシーズンの傾向でもあるとした。

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この決断は生易しいものではない。選手は球団から預かっている財産であり、まだ時期は開幕前の3月。2イニング投げさせてしまったことをインシク監督は、「予定よりも早い登板だった。彼には申し訳ないと言いたい」と会見で謝った。

今大会のオ・スンファンは絶対的守護神と呼ぶにふさわしい活躍をした。初戦のイスラエル戦では八回途中、2アウト満塁のピンチに登板して三振を奪う。九回も無失点に抑え味方の奮起を促した。

オ・スンファンは3回1/3を投げて防御率0.00、1勝、被安打1、奪三振6、四死球1。韓国が全敗を免れたのは間違いなくオ・スンファンの活躍によるものだが、現在34歳のクローザーに次回のWBCもと期待するのは難しい。

オ・スンファンらメジャーでプレーする選手は世界でも通用するが、国内組の特に若い選手がそれに続けない。代表の高齢化問題も抱えている。今回のWBCを見ても確実に世界のレベルは上がってきた。神様、仏様、オ・スンファン様の光が眩ければ眩いほど、時代に取り残されようとしている韓国野球の影は色濃くなる。
《岩藤健》

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