決勝当日、午前より断続的に雨が振り、雨粒は次第に大きくなる。雨が振り始めた当初、すぐ止むかのように思えたが、天候は悪くなる一方。
路面は前日の乾燥した状態から、泥状に変わった。路面の状態の変化にプロクラスのライダーはドライ用タイヤからマッド用タイヤへ変更、レース開始直前まで入念にチェックしながら試走する姿が見られた。
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雨天でも白熱する会場
(c) 上水流晋
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バイクコントロールを必死にするライダー
(c) 上水流晋
迎えた一本勝負の決勝、出走順最初のエリートクラスのライダーたちは泥状の路面に翻弄され転倒が相次ぐ。ライダーのなかでもプロと互角に走るほどのライダーたちでさえ太刀打ちのできない法華嶽の路面。雨天で難易度がさらにあがり転倒が相次いだ。
攻めないとタイムは伸びない、攻めると即座に転倒するのがマウンテンバイクダウンヒル。好天時のドライの状態でも、一か八かの攻めは難しい。
雨天になると、バイクのコントロールを維持することすら難しい。エキスパートクラス、スポーツクラス、各クラスのダウンヒルを週末に楽しんでる熱心なライダーでも法華嶽の路面は寄せ付けない。
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渡辺織枝選手
(c)上水流晋
しかし、女子クラスでは北海道から参戦した渡邉織枝選手(札幌かえる庭園)、「北海道でダウンヒルシリーズを開催してもらいたい。」「北海道にもMTBの競技者は存在する。コースもある。」と語るMTBに熱い思いを持った女性が遠方宮崎で強さを見せる。彼女のプロ顔負けの走りに駆けつけたギャラリーは興奮する。表彰台では「北海道で!」と熱く語る姿もあった。
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山桜が咲くゲレンデへ飛び込むライダー
(c) 上水流晋
是が非でも結果が欲しい浦上は1:22,951を出し暫定一位に躍り出る。九州ラウンドで浦上自身初勝利なるか?と思われたものの、井手川直樹はそれを許さない。スタート直後のシングルトラックセクション(タイヤ幅が一本の幅の森の中のセクション)、ゲレンデの滑りやすいセクション、ゴール直前のオフキャンバーセクション、全セクションノーミスでゴール。
トップタイム1:22,464を刻み見事優勝。悪天候でもベテランの強さを観て他を圧倒した。更に今回の優勝で井手川はダウンヒルシリーズ年間チャンピオンに輝いた。
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井手川直樹
(c) 上水流晋
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濡れた芝の上でも確実にタイヤの接地をする井手川直樹
(c)上水流晋
井手川直樹 レース後コメント
「今回の優勝、年間チャンピオン、雨のなかでしたが勝てて嬉しい。何事も続けていればいいことあります!今年度のレースは今回が最後ですが、来季のダウンヒルシリーズでもいい結果を残せるよう励みます。」
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表彰台
(c) 上水流晋
プロクラス男子
1位 井手川直樹 AKIFACTORY/STRIDER 1:22.464
2位 浦上太郎 Transition Airlines/Cleat 1:22.951
3位 阿藤 寛 AcciarponeBikes 1:25.828
エリート女子
1位 渡邉織枝 札幌かえる庭園 1:48.325
2位 富田敬子 AcciarponeBikes 1:55.706
3位 川述サオリ 2:05.571
ダウンヒルシリーズ2016年度シーズンは宮崎法華嶽で終了。来季のレースカレンダーは未発表だが、北海道からの参戦のライダー数名参加もあり、レース最後には北海道開催の期待の声も多くあがった。来季も熱いダウンヒルレースが開催されることを期待したい。