---:MTBダウンヒルシリーズを主催するきっかけは。
中川氏(以下敬称略):MTBダウンヒル国内最高峰レースのJシリーズは、西日本開催のレースがなくなっていったという歴史があった。ただJシリーズがないとはいえ、MTBダウンヒルライダーが少ないというわけではなかった。
草レースが開催される程の熱は各地にたくさんあることは前々から知っていて、誰かやってくれ、という声は多かった。自分も元Jシリーズのライダーで、また写真を生業としている。トップライダーとのつながり、ショップとのつながり、メーカーとのつながりは持っていた。誰もやらないなら自分がやりましょうということで始めた。
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---:レースを転戦していくことの意義やコンセプトについては。
中川:トッププロが集まってJシリーズのように西日本を転戦しましょう、ということで始まったばかりだから、今は意義やコンセプトという話では考えられない。レースを開催するには、主催、運営側だけでなく選手、プロ、地元のライダーも含め、参加頂くことによって成り立つ。ショップ、運営、我々主催みんなで盛り上げることがとにかく今一番大事だ。
---:競技振興に寄与する側面は少なからずある。
中川:大きい目標としてはあるが、やれることからやっている。まずは、「こういうイベントを開催するよ!」と投げかけることでMTBコースの宣伝にもなるし、見に来てもらえる人もいるかもしれない。今回の吉無田高原でも、もともとライダーの高野氏(吉無田高原で永くMTBライダーとしてコース設置などから携わってきた)との交流があって、九州の吉無田で開催する運びとなった。
おそらく、MTBダウンヒルシリーズという格好でイベントを開催しなければ、九州、熊本に住んでいる人にも、なかなか認知は進まない。レースをすることによって、MTBダウンヒルの魅力が伝わり、結果的に来年も再来年も盛り上がる。競技振興までとは行かないが、我々主催だけでなく、みんなで定着させていかないと。
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---:7月から開催して転戦してきたこれまでを振り返って。
中川:疲れとかそんなものは全くない。7月からの6戦、すべてレース運営が地元の有志の方や地元のスタッフの協力で成り立っている。我々がしたのは、参加者を募ることととSLmediaでSNSやサイトでの告知くらい。写真家としてレース開催中は思った以上に楽しめた。本当に地域の方々に支えられて成り立つレースだった。