どちらかというと私は高校野球派。しかも大変申し訳ないが、プロ野球でいうと巨人ファン寄りの私は、今村選手はいまだに清峰高校時代のイメージのままだった。というわけで、今日はカープに無知な人間がトークショーにお邪魔するカタチとなった。
会場には300人を超える応募者から選ばれた65人のファンが集まった。そろって赤いユニフォームに身を包み、女性ファンは手作りのボードやうちわを片手に今村選手の登場を心待ちにしていた。女性だけでなく、スーツ姿のサラリーマンや、親子連れなど、幅広い年齢層のファンが集っていた。
パッと見、アイドルのイベントかとも思える。TAUのイベントスペースではカープ選手のトークショーが頻繁に開催されており、来場したファンが赤いユニフォームに着替え、みるみるうちに赤く染まっていく会場を私は驚きながら眺めていた。
『アメトーーク広島カープ芸人』でおなじみの尾関高文さん(ザ・ギース)がゲスト出演し、会場を盛り上げた。やはりカープ芸人はアツい。司会は広島ホームテレビでのアナウンサー経歴がある現フリーアナウンサーの山田幸美さん。どちらも広島に縁のある人たちだ。
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今村選手が今シーズンを「野球をやっていて勝つことが楽しかった。勝つたびにどんどん盛り上がって行くのをみて、このチャンスを逃したら当分ないなと…」と振り返ると、尾関さんから「そんなことないですって!」と突っ込み。
自分に点数をあげるとしたら「60点」という。
「基準がわからないのでそれくらいです。1年間自分でやってこれたのが50点、あとの10点はおまけです」
今村選手の大きい体からは想像もつかないくらいボソボソとしゃべる。そこがまた“カピバラ”と呼ばれる所以なのだろうか。失礼ながら、小動物を見ているみたいでとても癒される。ファンからも「可愛い」という声が上がっていた。
今シーズンは昨年の登板回数を大きく上回る活躍を見せた。好成績の理由を今村選手は「野球に対する考え方を変えた」と話す。
「言い方は悪いかもしれないが、打たれてもいいと思うようになった。たとえ真ん中に投げても打ち損じはある。そういう気持ちで投げるようになった」
高校時代の写真からワールド・ベースボール・クラシック、セ・リーグ優勝などを写真で振り返るコーナーでは、写真の日付を明確に覚えているファンも。一段と盛り上がったのは、“トンボ事件”の写真が映し出された時だった。どうやらカープファンには必須事項のようだ。
今村選手の帽子にトンボが止まり、離れないまま1イニングを投げ切ったという。「ベンチに戻ったらカメラマンが笑っていたので、その時に気づきました」とトンボ事件の裏側を語った。
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ファンの質問コーナーでは、「友達のカープ女子の中で呼び名を統一したいのですが、なんて呼んだらいいですか?」という質問が飛び出した。
かなりの時間を費やした結果、「最近チームでは、たけしと呼ばれています」と回答。「先輩の奥さんとかもそのあだ名で呼んできます」と苦笑を交える。
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チームメートの庄司隼人内野手、堂林翔太内野手が入籍し、同期の結婚ラッシュを目の当たりにしたファンが、今村選手にカピパラの婚姻届をプレゼント。そのまま今村選手のもとに渡るというなんとも自由なトークショーだ。
「タイミングがあれば使わせていただきます」と興味津々の様子を見せていた。
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その他にも、サイン入りTシャツのプレゼントされるクイズコーナー、今村選手による広島県呉市の名物「がんす」の食レポなど、さまざまな企画が目白押しの1時間となった。
最後は、写真撮影と握手&サイン会。平日にも関わらず、会場に訪れたファン一人ひとりと触れ合った。ファン同士でも席を教えあったり、最前列を喜び合ったり、温かな交流がみられた。
ゲストを含めてアットホームなトークショーだった。まるで自分も昔からカープファンだったような錯覚を覚えた。ただただ面白かった。
とにかく、今村選手のキャラクターだ。おっとりとしたしゃべり方や仕草が見ていて癒される。そして熱量のあるファンの方々。カープの大躍進は、ファンの温かさと熱さが下支えしていることを実感した。
今村猛トークショー