2016年はロシアの国家主導のドーピング問題がスポーツ界を揺るがした。2012年に英国で行われたドーピング検査では、陽性反応の44%がサプリメントに含まれていた禁止物質によるものという結果が出ている。ドーピング問題に過敏になっているスポーツ界では、認定マークが重要な判断基準となっている。
ドームが開発したスポーツサプリメント「DNS」に現在は認定商品マークは付与されていない。メジャーリーガーのダルビッシュ有投手(テキサス・レンジャーズ)などトップアスリートも愛用し、スポーツサプリメントブランドの最先端を走るDNSがなぜ、JADA認証プログラムを終了したのか。
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2016年夏、DNSブランド商品のJADA認証プログラム取得終了が告知された。そして冬、グローバルかつ高精度の分析を誇る「INFORMED-CHOICE(インフォームド チョイス)」の認証取得を発表した。
インフォームド チョイスは、英国のアンチ・ドーピング認証機関Laboratory of Government Chemistが運営するアンチ・ドーピング認証プログラムだ。DNSがインフォームド チョイスの国内認証製品第1号となり商品展開が開始された。ドームサプリメント・メディカル事業部長の青柳清治氏は、16日に都内で行われたプレスカンファレンスでインフォームド チョイスへの移行の理由をいくつかの観点から説明した。
■オープンな運営
JADA認証プログラムが協賛団体の4社のみにしか行われないことに対し、インフォームド チョイスは希望があればどの団体でも製品検査を受けることができる。
■分析精度の向上
JADAは登録時のサンプル分析が1ロットにつき1サンプルで実施されるのに対し、インフォームド チョイスは、サンプル分析で3ロット5サンプル以上の提出が義務となっている。認定後も毎月一度、製造会社が関与しない状態でランダムにサンプリングが行われる。また、分析結果はJADAが非公開なことに対し、製造会社に公開される。
■透明性の確保
透明性および分析方法は、インフォームド チョイス公式サイトで一般公開される。
「JADAの認証プログラムを取りやめたときは、競技団体によってはJADAの認定商品マークがないサプリは使用できないという規定があり、購入をストップされた団体もありました」と青柳氏は苦労を語った。
「いろいろなメーカーの製品に『INFORMED-CHOICE』のロゴが付与されて、グローバルスタンダードなものが安心して使用できるようになってほしい。我々は、より精度の高い製品を提供していきたい」
2020年に向けた日本のアンチ・ドーピングの動きに注目していきたい。