だが11月15日に行われたサウジアラビア戦では、ひとつ下のロンドン五輪世代が多くスタメンに名を連ねた。清武弘嗣(セビージャ)が精度の高いキックでパスを供給し、大迫勇也(FCケルン)が1トップで体を張る。原口元気(ヘルタ・ベルリン)が最終予選4試合連続ゴールを決め、山口蛍(セレッソ大阪)が引き続き代表で存在感を発揮、酒井宏樹(オリンピック・マルセイユ)も最終予選で先発出場を続けている。

清武弘嗣
(c) Getty Images
本田、香川、岡崎がそろって先発を外れた試合。トップ下で先発しPKで先制点を挙げた清武は、「自分たちがやらなければ」と決意を持って臨んでいた。
「若い選手が多かったので、自分たち(ロンドン世代)がやらなければいけないと思っていた。結果も欲しかったし、試合前から自由にやろうと話していた。みんながピッチの上で良い表現ができたと思う」
最終予選初戦でUAEに敗れた日本。ホームで勝ち点を落としたことにより、ワールドカップ出場に暗雲が立ちこめていた。厳しい流れだったがグループ首位のサウジアラビアを直接叩いたことが、今後につながると原口は言う。
「勝つことでこれまでの流れをポジティブなものに変えられると思っていた。これを機に代表がもっと強くなったり、自信を持って戦えるようになれば良い」

原口元気
(c) Getty Images
この1試合をもって、ただちに代表の世代交代とは言えないが、大きな転換点になったと感じさせた。バヒド・ハリルホジッチ監督は試合後、所属クラブでベンチが続く海外組に対し、「もっと試合に出てほしいと伝えた。試合感がなければ同じことが続いてしまうし、彼らがプレーを重ねていることが我々の強み」と求めた。
そして若手には、「勇気を持って先発組を脅かす存在になってくれることを期待している」と遠慮せずポジションは奪い取れと競争を促した。