ベトゥ氏は五輪で金メダルを含む5個、世界選手権でも30個のメダルを獲得した世界有数の指導者。リオデジャネイロ五輪では女子チームスプリントで中国チームを世界新記録で優勝させるなど手腕を発揮。今回はフランス、ロシア、中国の要請を蹴って日本短距離陣のコーチに就任した。
「日本を選んだ理由はふたつ。2020年に東京でオリンピックが開催されること。そして小さいころから日本文化が大好きだったから」
「日本に競輪があることが長所でもあり短所」と指摘する。短期間の合宿を済ませたら各地の競輪場に派遣される現状では、長期的な育成ができないという。そのため競輪を統括するJKAによる競輪選手の資金面での支援などで選手が継続的に練習できる体制作りを整えることが必要だと語った。
「これまでのメソッドはいささか時代遅れで、まったく効果のないものと感じている。それをまずは修正していきたい。私としてはコツコツと東京五輪まで時間をかけてやっていきたい。まずは世界選手権で1位になること」
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ベトゥ氏(左)とニブレット氏が今後のナショナルチーム短距離陣をけん引
オーストラリアのジェイソン・ニブレット氏(33)もアシスタントコーチに就任。短期登録選手として競輪を走った実績もあり、新進気鋭の指導者と評価される。パラリンピックやパラ世界選手権での指導実績もあり、ベトゥ氏とタッグを組んで育成に取り組んでいく。