「自転車の似合う町づくり」を掲げてサイクリング文化の普及をめざす群馬県前橋市の山本龍市長が9月12日、駅横にオープンした自転車ショップ「ジャイアントストア」とハイテク立体駐輪場「サイクルツリー」の稼働を記念してレンタルサイクルでその健脚を披露した。
駅から歩いて2分ほどにあるジャイアントストアで5時間3500円の料金で貸し出しされるジャイアント製ロードバイクに乗った山本市長。レーシングジャージは地元前橋を拠点とするプロチーム「群馬グリフィン」のもので、大勢の観衆に見送られてこの日のサイクリングに出発した。
JR前橋駅から自転車なら数分でたどり着ける上毛電鉄の中央前橋駅へ。2両編成の車内にそのまま自転車を持ち込んで、30分ほどの粕川駅に向かった。この日は前橋市の象徴でもある赤城山の南麓をめぐるおよそ24kmのコースに挑んだ。
「前橋をおだやかな町に、自転車の似合う町にしたいんです」と夢を語る山本市長。具体的には米国で最も住みたい町の第1位にランキングされるポートランドの名前を挙げる。
かねてから自転車好きとして知られ、人気のヒルクライム大会となった「まえばし赤城山ヒルクライム」を開催。東京五輪・パラリンピックのグリーンドーム前橋招致に向けて積極的な活動を展開した。
今後のサイクリング文化振興策を列挙する。2年後には赤城山まで自転車道路を整備する。自転車文化をさらに推進していく。盲学校において2人乗りのタンデム自転車を体験。赤城山をグルッと一周するサイクルツーリズムの構築。古民家を使ったサイクリングターミナル。都内発着のサイクリングバスツアー計画などだ。
民間企業と積極的にコラボして行政としての事業にパートナーをつける施策も打ち出す。それを具現化させたのが、大和グループの大和リースが設計・施工を担当、JFEエンジニアリングの施工協力を得て完成したサイクルツリーだ。自転車というスポーツを通じて市民の交流が深まり、クルマや歩行者がお互いを尊重して生活していける環境を作る。前橋市の取り組みは今後も注目したい。
《山口和幸》
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