GPSで快適取材旅行を完遂…山口和幸のツール・ド・フランス日記 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

GPSで快適取材旅行を完遂…山口和幸のツール・ド・フランス日記

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GPSで快適取材旅行を完遂…山口和幸のツール・ド・フランス日記
  • GPSで快適取材旅行を完遂…山口和幸のツール・ド・フランス日記
  • 今年もフランス一周5000kmを無事に走破した
  • 新城幸也のサイクルコンピュータ。下についているのはGoPro
  • 新城幸也がVサインをしてシャンゼリゼの周回コースに向けて走っていった
  • 2017年のツール・ド・フランスで会いましょう!
ツール・ド・フランスは真夏のフランスを駆けめぐる23日間の戦いだ。取材記者として全日程を単身で追いかけるようになり、これで20年目の完走。これまでの経験に加え、円高の追い風もあってなかなか快適だったフランス一周の旅を総括。

23日間のツール・ド・フランスを取材していくらかかったか?パリ往復の航空券代金25万円。免税で購入したクルマの売却額との差額15万円。宿泊費25万円。通信費10万円。ガソリンと高速道路使用料10万円。食事代10万円。その他もろもろを含めて100万円だ。このうち食事代は経費で計上できないので90万円が取材費となる。


今年もフランス一周5000kmを無事に走破した

英国がEU脱退を決断して以来、欧州通貨ユーロは全面安となり、今年は1ユーロ115円前後の円高でかなり全体経費を抑えることができた。1ユーロ170円だった2008年はパリでビールをおつまみを頼んで4500円したこともあるので、今年は天国だった。海を渡る必要があるコルシカ島や英国で開幕するなどの場合は余計な交通費がかかるが、今年は陸続きのシンプルなコースだったことも助かった。

宿泊ホテルは大手のネット予約サイトで結構ピンポイントで取れる時代に。アコーやルーブルといった安定感のあるホテルグループのほか、快適さを売りにした新興ホテル、地元料理が楽しめるロジドフランス登録店など選びたい放題。民宿に相当するシャンブルドットやジットドフランス登録宿もたまにはいい。部屋代は平均すると1万円ほどで、ふたりで泊まれば半額になる。

ボクは「ホテルドットコム」のヘビーユーザーで、10泊すると無料になる特典付きをうまく利用。昨年からの繰り越し分も含めて3泊は無料に。面白いことにフランスにおいてホテルのネット予約サイトは総称して「エクスペディア」というらしく、チェックイン時に名前を告げると、「ああ、エクスペディアの予約ね」と言われるので、「いや違う。ホテルドットコムだ」と説明しても、「そうだね。エクスペディアだよね」と言い返される。

■GSPで旅の思い出とポケモンGO

今回のフランスで役立ったのがGSPだ。フランスではカーナビのことも「GPS(ジェーペーエス)」というのだが、車載GPSはもちろんのことGPSウオッチも強力な味方だった。スタートボタンを押しておけばどんなルートでも記録されるので、それはもちろん旅の思い出となるし、道に迷っても画面に表示される簡便な走行経路をたどれば元いた場所に戻れるのである。

ツール・ド・フランスを走る選手の間でもGPSはさまざまな用途に活用されている。ロードレースの場合はハンドル周辺にスマートフォン大のGPSコンピューターを搭載して、プリインストールしたルートを確認しながら走る。温度計つきのサイクルコンピュータがかなり重宝していて、ランプレ・メリダの新城幸也も「峠の頂上はガーミン見たら気温4度ですよ!」などとよく話していたのが記憶に残る。


新城幸也のサイクルコンピュータ「ガーミン」。下についているのはGoProだ

GPSの話題としてもう一件。大会期間中に『ポケモンGO』が欧州でアプリ公開となり、さっそくダウンロードして楽しんでいる選手もいたという。ボクも公開直後のアルプスでスマホにダウンロードしてみたら、フランス滞在中だったけど問題なく使えた。アルプスやパリの凱旋門でヒトカゲとコラッタをゲットしておいた。

単独取材を始めた20年前は、期間中に日本語を話すなんてこともなく、国際電話をかけない限り日本にいる人たちとコミュニケーションを取ることもできなかった。ところが時代の進化というのは恐ろしく、いまではいくつかのSNSを駆使すれば瞬時に情報共有ができたり連絡がつく。今回のツール・ド・フランス日記の掲載中に、日本からツイッターで激励のメッセージを送ってくれた人もたくさんいた。励みになりました。ありがとうございます。

そんな最先端技術があればツール・ド・フランスの全情報は日本にいながらにして瞬時に知ることができる。ボクたち取材記者もタジタジである。それでも現地にいなければ感じられないものはあり、それが例えばそれは風のにおいだったり、峠の気温4度の寒さだったり、あるいは新城の頑張りを目撃することだったり。

日本のツール・ド・フランスファンのみなさんもぜひ来年は為替相場をにらみながら、GPSを片手に現地入りするのもいいのではと思う。

2017ツール・ド・フランスは7月1日、ドイツのデュッセルドルフで開幕する。


2017年のツール・ド・フランスで会いましょう!

《山口和幸》

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