ユーロ2016はフランスが開催国となり、6月10日~7月10日までフランスの大都市で開催される。地元フランスはグループA、そしてFIFA世界ランキング1位のベルギーはグループE。両国とも同時多発テロに襲われ、国民が深い悲しみに包まれたばかりで、それを打破するような快進撃が期待されている。7月10日の決勝はテロの標的となったサンドニのスタッドフランスで開催される。
ツール・ド・フランスはユーロ2016と9日間、開催日程が重複する。ツール・ド・フランスが他のメジャースポーツイベントと日程重複するときは、話題性を喚起するためにとっておきの開幕地を設定する。7月2日のツール・ド・フランス初日はノルマンディー地方にある世界遺産モンサンミッシェルがスタートだ。
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世界最大の観光大国であるフランスは労働者の8%が観光産業に従事しているということもあり、主要国に対して国を挙げて観光地をピーアールする政策を掲げている。ティエリー・ダナ駐日フランス大使も、「包括的な外交政策において観光は重要な要素をしている。たくさんの人がフランスに足を運んでもらえるように、フランスの魅力をできるだけ多く発信していきたい」と語っているほどだ。
■「見る」より「体験する」観光へ
フランスを訪れる魅力は世界遺産などのロケーション、美食やファッションなどが柱だが、2016年は大々的に「スポーツ」を押し出している。3月24日にフランス観光開発機構はフランス大使公邸で新年度観光キャンペーン発表会をした。新キャンペーンは「さあ!あなたを待つフランスへ。」をキャッチフレーズとして、日本人観光客を待つフランスの姿勢をアピール。「見る」より「体験する」観光を紹介している。
キャンペーンは初の試みとして、旅の公式レポーターを一般公募し、6月末~7月初旬にかけて旅をした模様を動画コンテンツとして特設サイトや動画共有サイトにて公開するという。
公式レポーターは2名2組を募集。応募は、フランスについて興味のあることややってみたいことを60秒以内のオリジナル動画に撮影して投稿する。選考は日仏観光に携わる審査委員が行うという。首都圏の電車内でも3月28日~4月3日までキャンペーン告知が掲示されるので見つけてみよう。
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サッカーではよく「弾丸ツアー」なるものが話題となるが、ユーロ2016がフランスで行われるのだから「試合だけ見て帰るのはもったいない」とキャンペーン担当者が口にしていた。試合はパリをはじめとしてニース、マルセイユ、ボルド、ランスなど観光地10都市で開催される。ここは観光に費やす時間を1日取っても歩き回りたいものだ。
また、「見る」より「体験する」観光を打ち出しているのだから、ツール・ド・フランスを見ると同時にサイクリングをやってみるのもおすすめ。各地にはレンタル自転車とサイクリングコースが用意されていて、美しいフランスの景観を眺めながらさわやかな空気を満喫できる。
3月24日のキャンペーン発表と同時にフランス観光親善大使に任命された自転車ロード選手の新城幸也は、「ボク自身が住んでいただけにミディピレネー地方がいい。ぜひ現地で応援してください」と語る。たとえばフランスで最も美しい村、サンシルラポビー。ツール・ド・フランス第6ステージが近くを通るので観戦がてらに寄り道をしてみるのもいい。