--- 将来的には、中身も人間と変わらないアンドロイドが開発できるという考えか。
冨澤氏:難しい質問。ロボットの機能は、個別に自立していくはず。一方で、Pepperのようなヒューマノイドも進化していく。わたし個人としては、人をサポートする、人類に貢献できるロボットの開発を念頭に入れている。
--- 接客データの見える化は、どの程度進んでいく?
宮内氏:Pepperには目があり、画像を認識している。近い将来、一度接客した人を覚えているようになる。ネスレではすでに、コーヒーマシンの接客を通じて、来客者のおおよその年齢、性別、何時何分に何を買った、というデータを収集してビジネスに活用している。
--- 「Pepperだらけの店舗」の本気度は?
宮内氏:これまでPepperでは、ゲーム、エンタメなどによる集客効果に力点を置いていた。これからは、店員のサポート機能を充実させる。例えば、お待たせしているお客様から情報をお聞きできれば、カウンターにご案内したときに時間が短縮できる。ギリギリまでPepperだけでやってみたい。個人認証など、契約の最後のところは人が関与する必要があるが、できるだけPepperでカバーしたい。
質疑応答の終了後、冨澤氏は囲み取材にも応じた。
--- ビジネスの現場で見えてきた課題は?
冨澤氏:会話の間など、実際に店舗に出して試さないと分からない部分があった。最近では、かなり進化している。また現状では、みなさんの顔を無限に記憶することはできない。いま研究している。これが実現できれば、個人情報を提出していただく必要がなくなる。いままでにない接客サービスが実現できる。
--- 事業としてPepperが黒字になる見込みは?
冨澤氏:今年とか来年という話ではない。コンシューマ向けのサービスではまだ難しいが、法人向けは値段も違う。ある程度は確保していきたい。
--- 「Pepperだらけの店舗」では何を得られると期待?
冨澤氏:集客効果、契約数などビジネス上のKPIもあるが、どうしたらお客様にストレスを感じさせないか、Pepperでどこまで完結できるか、なども知りたい。来店された方に印象を聞くアンケートなども実施したい。
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《近藤謙太郎@RBBTODAY》