1月24日に秩父宮ラグビー場で行われたジャパンラグビートップリーグLIXIL CUP決勝戦は、パナソニックワイルドナイツが東芝ブレイブルーパスを27-26で破り、リーグ3連覇を達成した。
前半3分に西原忠佑がトライしてパナソニックが先制した試合は、コンバージョンも決まり同チームが7-0とリードする。しかし、東芝も同7分にはリーチ マイケルが抜け出し、同点に追いついた。
前半終了間際にヘイデン・パーカーのフィールドゴールが成功。17-14とパナソニックリードで折り返した後半、8分にパーカーのフィールドゴールが決まってリードは6点まで広がる。
さらにパナソニックは同20分、田中史朗が自ら持ち込み堀江翔太へパス、堀江はタックルを受け倒されながらも、走り込んできたJP・ピーターセンにボールを渡す。日本代表コンビのパスワークから、最後はピーターセンがトライを決めパナソニックのリードは13点となった。
対する東芝も同28分、廣瀬俊朗のパスからトップスピードで抜け出したニコラス・クラスカがトライを返し、コンバージョンも決まって再び27-21の6点差まで追い上げる。
ドラマは最後に待っていた。この日、秩父宮ラグビー場を最も熱くしたのは、試合時間80分を過ぎてから東芝が見せたラストワンプレーだった。
残り時間5秒ほど残し、パナソニックからボールを奪った東芝は、スクラムから大きく左に展開。リチャード・カフイが華麗なスピンでタックルをかわし、外を走っていたフランソワ・ステインにボールを渡す。ステインのビッグゲインでトライ目前まで迫った東芝は、中央でボールを受けたカフイがパナソニックの裏へキック。
ボールは無人のゾーンで高く跳ねると、走り込んでいた豊島翔平の手に収まりトライ。1点差に詰め寄った東芝は一転、ステインのキックが決まれば大逆転勝利となる場面を迎えた。
しかし、難しい角度からのキックは無情にも左へ外れ、ノーサイドの笛が吹かれる。この瞬間にパナソニックの3連覇が決まり、東芝は6シーズンぶりの優勝を逃した。
昨秋のワールドカップで活躍したことにより、今までにないほど高い注目を集めて始まった今シーズン。最終戦に2万4000人を超える観客が集まったほか、プレシーズンリーグを含む今シーズンの観客動員数は歴代最多の49万人に達した。
《岩藤健》
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