来る東京五輪2020年を5年後に控える2015年。旧サイクルスタイルは「やわらかスポーツ」を媒体の枕詞とし、つぎの飛躍を遂げるためロゴを一新「CYCLE」としてスポーツメディアの立ち位置で活動してきた。
本誌CYCLEは千辛万苦し、いろいろな壁にぶつかり、そのたびにもがいた1年が経ったということになる。
自転車ネタだけではなく幅広いスポーツのネタを扱えるように媒体をシフトチェンジ。ありがたいことにいわゆるページビューやユニークユーザーは、堅調に伸びてきている。
環境変化の速いウェブの世界にあり、また新旧メディア業界は、大きな転換期を迎えた2015年。本誌も新たな成長フェーズに差し掛かっている。
2016年のカレンダーがめくられようとしている今、編集部で座談会を実施。2015年の取り組みをふりかえってみた。
****
編集部A:2015年は、「サイクルスタイル」という自転車の媒体から、スポーツのネタを扱い、媒体独自の色を出していこうとリニューアルしてやってきました。結果、「CYCLEはこういう媒体だ」という角度を切り出すことが少しずつできてきたのでは。いろいろな取材依頼が増えてきたのも、媒体が認知されてきた証ですね。
いままで誰にインタビューしてきたかと振り返ると…。堀江貴文さんや為末大さんにはじまり、最近は様々なスポーツ界の関係者や選手に広がっています。数が増えましたね。
【インタビュー】「ハマらなければ楽しめない」堀江貴文さん
【スポーツテックの未来】「わかることが増えるほど、わからないことが拡大する」
【スポーツテックの未来】「数値の不完全性を理解して活用」為末大さん インタビュー2/3
【スポーツテックの未来】「スポーツのエンタメ性拡張が大切」為末大さん
いままでのコラムなどを見ていると、ここ1年で大きく変化しました。真面目ネタも、エンタメのようなやわらかいネタもあり、幅が広すぎるきらいはあります。よく見れば扱いやすいスポーツ媒体というかんじでしょうか。
編集部H:ざっくりとスポーツの情報をチェックするのには、利用しやすいかもしれませんね。「あぁ、いまのスポーツ周辺はこうなっているのか」という情報が得やすい媒体になっているかなと手前味噌で恐縮ですが…。
A:今後は、「スポーツ×ビジネス」「スポーツ×テクノロジー」「スポーツ×マーケティング」など、「スポーツ×○○」という切り口を大事にしていく媒体を目指していきたいですね。
編集部K:媒体のビジネスを考えると、コンテンツのバランスはとれてきていますよね。コンテンツは作るだけではダメで、届けないといけないということを体感するなかで、外の媒体に配信しやすいネタが増えてきたという感覚です。
A:時系列で言うと、1年前の2014年末はどんな企画があったのでしょう。
K:三鷹高校取材、東京マラソン取材などでしょうか。
三鷹高校取材
東京マラソン取材
A:まだまだ、いまでも業界の新参者ですが、このあたりの取材で難しさに直面した気がします。高校サッカー選手権、東京マラソンにしても十分に情報が配信できる、力のある取材可能な媒体がある程度決まっていますからね。あと、web媒体だけに制限がかかることは、ところどころありますよね。
K:既存の大きなメディアがどうしても強いのは当然ですね。あとは、放映権、肖像権などの権利が絡み合っているのも。
A:スポーツは、いろいろな付加価値を権利にしてビジネスしている。写真の権利譲渡など、選手の肖像権をもっていることがひとつのビジネスモデルを生んでいたりしますね。だから、制限を設けることはビジネスのスタート。付加価値作りの枠組みという見え方です。
製造業に例えると分かりやすくて、無限に製造できる時計があったとしても、あえて1000個しかつくらず、希少価値を高めて値段を上げる、みたいな感じを受けます。
(つづきます)
《編集部》