【高校野球】東海大相模が45年ぶり頂点…仙台育英、東北の悲願またも成就ならず | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【高校野球】東海大相模が45年ぶり頂点…仙台育英、東北の悲願またも成就ならず

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甲子園球場
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第97回全国高校野球選手権大会は、8月20日に決勝戦が行われ、東海大相模(神奈川)が仙台育英(宮城)を10-6で破り、45年ぶり2度目の優勝を果たした。

決勝は日本一を決めるに相応しい熱戦になった。仙台育英の佐藤世那投手は前日の準決勝で早稲田実業(西東京)を完封していたが、その疲れからか球が走らず初回につかまる。東海大相模はヒット3本で2点を先制した。

三回にも東海大相模に連打で2点を奪われた仙台育英、だが裏の攻撃から反撃に転じる。一死二塁から青木玲磨、平沢大河、郡司裕也、百目木優貴と連続でヒットがつながる。またたく間に3-4と追い上げた。しかし紀伊海秀がピッチャーライナー、飛び出していたランナーも戻れず併殺で攻撃を終える。

東海大相模に2点を追加され、再び3-6と差を広げられた仙台育英。それでも初優勝に向け六回、二死満塁のチャンスで佐藤将太が走者一掃の3点適時打を放ち同点に追いついた。

仙台育英は佐藤も五回以降に調子を上げ、八回まで4イニング連続で東海大相模打線を無安打に抑える。再び試合が大きく動いたのは延長が見え始めた九回。

先頭打者の小笠原慎之介に投じた初球は、高目のフォークだった。絶好球をフルスイングした打球は、そのままライトスタンドに消える。エースが自らのバットで勝利を手繰り寄せた。

高目に抜けたようにも見えたボールだが、試合後の佐藤は「ゾーンで勝負しようと思ったので抜けたわけではない。打たれた瞬間に行ったと思った」と話した。

この一打で張り詰めていた糸が切れたか、佐藤は連打で4点を失った。

打った小笠原自身も、信じられないといった顔でグラウンドを一周したホームラン。多くのドラマを生んできた大会は、最後も劇的な一打で明暗を分けた。

どちらが勝つか最後まで気の抜けない展開に、「仙台育英の皆さんお疲れ様でした! 東海大相模の皆さんおめでとう!」「東海大相模!!優勝おめでとう!仙台育英も素晴らしいチーム!」「残念ながら東北初の優勝はまたならなかったけど、東海大相模も強かった!! 甲子園は毎年面白い」「打線も強力だったけど、超高校級の投手を2人も揃えたのが大きい。仙台育英もワンサイドになりそうなところをよく同点に追いついた」など、高校野球ファンからも大満足の声が寄せられている。

大越基を擁した1989年の第71回大会以来、久しぶりに選手権の決勝へ戻ってきた仙台育英。だが今回も夢は叶わず、東北の悲願は持ち越しとなった。
《岩藤健》

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