iPhoneでプレゼンもOK…ポケット・プロジェクターの実力とは | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

iPhoneでプレゼンもOK…ポケット・プロジェクターの実力とは

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iPhone 6とのドッキングに対応するポケット・プロジェクター「モバイルシネマi60」
  • iPhone 6とのドッキングに対応するポケット・プロジェクター「モバイルシネマi60」
  • 最大60インチの画面が投射できる
  • プロジェクターに装着した状態でも片手で持てるサイズ感
  • トップにプロジェクションレンズを搭載。DLP方式のユニットが採用されている
  • 片側の側面にPCやBDプレーヤーとの接続を可能にするHDMI端子と、プロジェクターからiPhoneなどへの給電ができるようになるUSB-A端子を設けた
  • もう片方のサイドにはボリュームボタンとメニューボタンを配置
  • アスペクト調整は3種類から選ぶ
  • 別途アダプターを購入しないと、本体とiPhone 6を美しくドッキングができないのが残念
 iPhoneはビジネスマンにとって欠かせないワーキングツールでもある。Webやメールのチェックに活用するだけでなく、高機能なカメラで撮れる写真はクオリティも十分に高いので、仕事現場の記録を写真で残すためのカメラを持ち歩く必要も既になくなった。パソコンで作成したドキュメントをスマホに入れて、移動中に目を通したり、簡単なメモを加えたりと幅広く活用している方もいると思う。

 そんなiPhoneをビジネスツールとしてもう一歩強化するならば、ポケット・プロジェクターを組み合わせて、写真やドキュメントを大画面に写して会議やプレゼンをスマートにこなせるようになりたい。

 ポケット・プロジェクターという商品ジャンルについて明確な定義はないが、一般的にはホームシアターで映画を楽しんだり、オフィスの会議室で使うビジネスプロジェクターよりもさらに小柄で、主にスマホやタブレットなどモバイル機器との連携を念頭に置いた極小サイズのプロジェクターを指す場合が多い。

 光源にはLEDやレーザーを使い、光学系や映像回路もコンパクトに設計して小回りが効くことから、モバイル・プロジェクターやピコ・プロジェクターと呼ばれることもある。

 読者の方々の中には、オフィスの会議室にはプロジェクターが置いてあるという方も多いかもしれない。いわゆるオフィス用のビジネスプロジェクターの中には、本体がB5サイズぐらいコンパクトで、質量も1kg台というモバイル性能に富んだものも発売されている。

 しかし、スマホ感覚で持ち歩けるパーソナルサイズを追求するならポケット・プロジェクターの出番だ。なかでも、AIPTEKから発売されている「モバイルシネマi60」は、iPhone 6にドッキングできるポケット・プロジェクターとして注目したい製品だ。

 iPhone 6を一回り大きくしたほどの本体は、片側にiPhoneが置けるようにフラットなデザインになっている。アダプターを介してiPhone 6のLightning端子につなげば、iPhone 6の画面をそのままスクリーンに大きく映し出せる。

 前機種にはiPhone 5s/5対応の「モバイルシネマi55」という製品も発売されていたが、こちらと比べて画面の明るさは140%アップした70ルーメンを実現。部屋の明かりを暗くした方が画面はより見やすくなるが、昼間の明るい室内でも十分に映像が確認できる明るさは確保されている。

 映像の投影にはDLP方式を採用。画面の解像度は640×480ピクセル(VGA)。光源には3色RGBのLEDを採用しており、その寿命は最大2万時間を達成している。

■小型プロジェクターなのに、最大60インチの大画面が投射できる

 セッティングはとても簡単。プロジェクター本体にiPhone 6をガチャっとドッキングさせるだけ。なのだが、iPhone 6のデータをLightning経由でプロジェクター側のHDMI端子(オス)に変換して送り込むために、別途アダプタが必要になる。

 残念ながら本体パッケージに同梱されていないので、今回はAppleストア等で販売されている専用アクセサリー「Lightning - Digital AVアダプタ」を購入した。こちらが揃えば、プロジェクターとiPhone 6を見た目にも美しくドッキングできる。

 プロジェクター本体の上部に設けられているホルダーは、iPhone 6を装着した際の固定具になるほか、テーブルにおいた時に仰角を付けるためのスタンドの役割も果たす。レンズのフォーカスは本体側面のダイアルで調整。本体にはスピーカーも内蔵されているので、音声付き動画をプレゼンする際などは別途スピーカーの用意は不要だ。本体の側面のボタンでボリュームを調整する。

 実際に使ってみると、いとも手軽にiPhoneの写真やドキュメントを大画面に映せるので大変便利だ。別途アプリやドライバーをインストールする必要もないので、アダプターを経由してLightning接続した瞬間に映像が映し出せる。投射距離は最短15.2cmで6インチから、最長約1.5mで60インチまでの画面を映せる。

 iPadやタブレットなど、スマホよりも少し画面サイズが大きいデバイスを使ってプレゼンをしたとしても、同時に画面が見られるのはせいぜい数名。しかも画面はプレゼン相手に向けなければならないので、本人は画面が見づらくなってしまうので、どうしてもプレゼンに集中するのは難しかった。プロジェクターで画面を投射できれば、より多くのクライアントに相対した場合でもよりスマートにプレゼンテーションができるのではないだろうか。

■課題も発見。台形歪み補正は非対応

 ポケット・プロジェクターの便利さを実感する反面、「モバイルシネマi60」については使っていていくつかの課題も見つかった。

 まず、フォーカス調整以外に画面の微調整がしづらいこと。本体の設定メニューには、映像のアスペクト比を4対3の2モード、あるいは16対9から選べる項目は設けられているのだが、例えば画面のズーミングやサイズを調整した場合はプロジェクター本体とスクリーンとの間の距離を、プロジェクターを手で持って前後に移動するほかにない。

 また、プレゼンの環境によっては、スクリーンに対してプロジェクターを真正面に向けて置けない場合も考えられるだろう。そんな時には画面縦横の台形歪み補正や、レンズをシフトさせて投射される映像の縦横位置を微調整する機能もほしいが、現状はプロジェクターの置き方は“手動”で工夫する必要がある。

 もう一点は、本体の上部にiPhone 6を格好良く置いて固定できるのだが、画面を回転させて横置きレイアウトの資料や写真をプレゼンしたい場合には、装着したままの状態だと画面が縦置きに表示されてしまうので、一度iPhoneを取り外してから画面を回転させなければならない。

 次世代機での進化を求めるなら、例えばiPhoneを設置する側の台座がiPhoneを装着したまま90度回転できるようになると使い勝手が向上するだろう。なお、プロジェクターにぴったりドッキングできるのはiPhone 6だけだが、それを気にしなければLightning接続ができるiPhoneやiPadならいずれのモデルも組み合わせて使えるということを補足しておきたい。

 バッテリーの連続稼働時間はプロジェクターモードで最大約120分。約3時間でフル充電になる。ポータブルバッテリーの機能も付いているので、プロジェクター本体の側面に設けられているUSB-A端子にiPhoneを付属のケーブルでつなげば充電もできるの嬉しいオプション機能がある。

 実際に使ってみると、iPhone用のモバイル・プロジェクターには、まだ進化の余地が残されているとはいえ、スマートなプレゼンテーションのサポートツールとして十分に魅力があることを実感させられた。仕事帰りに行きつけのバーで写真を披露したり、ホームパーティーにも活用すればトークに花が咲くだろう。

 「モバイルシネマi60」は本体にHDMI入力が付いているので、iPhoneだけでなくノートPCと組み合わせることもできる。あるいはBDプレーヤーなどに組み合わせれば簡易なホームシアターにもなる。ユーザーの工夫次第でいろいろな使い方が広がりそうだ。

【オトナのガジェット研究所】iPhoneでプレゼンもOK!ポケット・プロジェクターの実力とは

《山本 敦@RBBTODAY》

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