救急外来の医療費が9万円強。地元の病院では入院のうえ手術までしたので、いったいいくら掛かったでしょうか。幸いにも僕は、その金額を知ることなく退院できました。それは相手ドライバーが任意保険にも加入していたから。今後の通院も、その保険で支払われます。
このことが僕に(おそらく相手にも)、どれだけの安心をもたらしたことでしょう。仮に相手が保険に入ってなければ、とりあえずの支払いを僕自身がすることになります。となると手術を受けるかどうか選択する際にも、金銭的な負担がどうなるかを考えざるをえません。
相手が支払いを拒否する、拒否しないまでも支払い能力に欠ければ、結果的に負担を負わされるかもしれません。診察を待つ間に保険会社から僕のところに連絡があり、それから先方の担当者が病院の会計担当に話をし、帰りの窓口では「連絡を受けているから」と、1円も支払うことはありませんでした。
■事故状況の聞き取り
退院後、ふたりの方が訪れました。ひとりは保険会社から委託を受けた事故状況の聞き取り。過失割合を判定するためのものです。僕は面談の前にネットで調べ、自転車が青信号直進でクルマが右折という場合、10対90が基本となることを確認。さらに右折車専用信号が黄色の点滅であったことや至近距離で右折したことを加味すれば、これが0対100となると主張しました。
相手も同意していると伝えましたから、おそらくこのまま認められるのではないかと思っています。ただ、僕の本心は0対100ではなく0対90対10あるいは0対80対20。この10ないし20は、道路管理者である東京都の過失です(詳しくは前回のコラムを参照してください)。
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付加される修正要素によって、過失割合は増減する
■自転車の破損の状況を確認
もうひとりは僕の自転車が高額ということで、破損の状況を確認。僕の乗っているロードバイクはフルカーボンということで、破損や目立ったキズはなくとも、内部が損傷していることが考えられます。そのため乗り続けられない旨を伝えました。そこは納得してもらえたようで、この自転車が"商売道具"であることも理解してくれました。
保険会社から届いた書類にあった「購入年月日より減価償却を考慮した認定損害額を算定し」との一文については、「これはあくまで税務処理上の考えであり、それを認定損害額を算定する根拠とするのはおかしい」と伝えました。たとえ6年物であってもそれなりの中古価格となることも説明しましたが、これは具体例を示したほうがよかったかもしれません(あとでネットで調べたところ、近い仕様の自転車が29万円弱で売りに出されていました)。
退院後初の外来診療では添え木と包帯が取れ、やっと身軽になりました。縫合部の抜糸では、麻酔でもするのかと思ったらいきなりハサミを取り出し、チョキチョキと始めたのにはビックリ。まあ、痛くはなかったんですが…。痛みが残っていた左の肋骨とヒザも念のためレントゲンで調べてもらったところ、なんとこちらも骨折だそうで、しかも肋骨は4、5本とのこと。骨のズレはないので、このままくっつくのを待つしかないそうです。