ツール・ド・フランスの大舞台であるラルプデュエズはコース発表と同時にホテルは満室になるので、不動産屋にお願いして滞在型アパートを1週間単位で借りる。ところがツール・ド・フランスがやってくるときは不動産屋の社員も交通規制でアクセスできないので、ぼくが泊まりにいくときはオフィスが閉まっているという。
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プロバンスのホテル。ホントはここでのんびりしたかったのだが
ということで本来の入居日に、ツール・ド・フランスの貴重な休息日を利用してアルプス山中の往復400km、10時間かけてカギをもらいに行くハメに。この日はプロバンスの閑静なホテルを取って休日をノンビリすごそうとしたのに。
救われたのはホテルの夕食に間に合ったこと。料理はフルコースで出てくるお任せ料理だ。石造りの館に隣接する林の中で食べるのだが、それがなんとも気持ちいいこと。
■たまには民家
フランスではかれこれ800泊しているが、予約したホテルで部屋がないというトラブルはない。いや、厳密に言うと10回くらいある。「ムッシュー、ようこそ。このホテルに部屋はないけど大丈夫だから。知り合いの民家に話をつけてあるから」
ということで、たいてい未亡人が単身で住む民家に案内される。その夜は個人フランス語教室で、昼間の仕事より疲れる。「そろそろ原稿書かなきゃ」と、あてがわれた部屋に逃げようとすると、「パソコン貸してあげるわよ」と親切な追い打ち。
「ありがとう。日本語ソフト入ってないでしょ」とは絶対に言えない。