2015年パリ~ルーベを制したのは、26歳のドイツ人、ジョン・デゲンコルブ(ジャイアント・アルペシン)。北のクラシックで世代交代が始まっていることを証明する勝利だった。
2011年にプロとなったデゲンコルブは、当時最強プロチームのHTCハイロードに加入。1年目からクリテリウム・ドゥ・ドーフィネでステージ優勝を挙げるなど活躍していたが、HTCハイロードはこの年限りで解散。デゲンコルブが移籍したのは、当時格下のプロコンチネンタルチーム、スキル・シマノだった。
しかし、チームはその後、アルゴス・シマノ、ジャイアント・シマノ、ジャイアント・アルペシンと名称を変えながらワールドツアーに昇格。チームメイトのマルセル・キッテルとデゲンコルブらの活躍で、トップチームのひとつに成長した。
チームメイトともに表彰台に上がったデゲンコルブは、当時の決断が間違いではなかったと振り返る。
「HTCでプロになり、彼らが解散したとき、第2ディビジョンチームのスキル・シマノに移籍した僕を多くの人が変な目で見ていた。振り返ってみると、今までで最高の決断だったね。僕たちは、みんな本当の友達という選手の集まりなんだ」
「僕たちは自分を犠牲にしている。あらゆるネジが緩まないように引き締めてきたんだ。この石畳(トロフィー)は僕だけのものじゃない。チーム全員の手柄なんだ。2つのモニュメントがね」
ここ数年、北のクラシックではともに34歳のトム・ボーネン(エティックス・クイックステップ)とファビアン・カンチェラーラ(トレックファクトリーレーシング)がレースの主役だった。しかし、今年はこの2人がケガで不在の中、27歳のアレクサンドル・クリストフ(カチューシャ)、26歳のデゲンコルブが台頭した。
デゲンコルブは、若手たちも経験を積んできていると強調する。
「自転車界は明らかに変わりつつある。新世代がすぐそこまで来ているんだ。ファビアンがここにいないのはとても残念だ。一緒に戦えたらよかったね。選手として尊敬しているし、強力な戦士だ。多くの若手選手も成長していて、経験を積み、精神的にも強くなっている。それがこういうレースなんだ。誰も1年目でここには来れないし、勝てない。僕は5年かかかったんだ」
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