ドス・アンジョスは1ラウンドから積極的に動く。サウスポーの構えから左ミドル、左ストレートを出し、いきなりパンチがペティスの顔面をとらえた。被弾した王者はこれで「目が見えづらくなった」と試合後に語った。
そうなると主導権はドス・アンジョスが握る。強力な左ミドルとハイ、ストレートで押し込む。ペティスも後ろ回し蹴りを見せるなど、なんとか相手に傾いた試合の流れを取り戻そうとするが、勢いづくドス・アンジョスに飲み込まれてしまう。
1ラウンド終盤にテイクダウンも決め攻勢に出たドス・アンジョスは、2ラウンドも積極的に圧力をかけ強烈な打撃で押し込む。再びテイクダウンを奪うと、ペティスは1ラウンドにカットした右の目尻から出血が見られた。グラウンドで下になっても一瞬で極める力があるペティス。三角絞めを狙うが、ドス・アンジョスはすべて読んでいるかのように取らせない。ヒジとパウンドを巧みに使い、このラウンドも圧倒した。
3ラウンドも相変わらずドス・アンジョスが支配する。打撃からテイクダウンにいき、グラウンドではペティスをコントロールし、やりたいようにさせない。立ち上がろうとする相手のバックへすかさず回り、絡みついて放さない。
4ラウンドに入ると、ドス・アンジョスは極めにいく場面があった。テイクダウンを奪いグラウンドに引きずり込むと、立ち上がろうとするペティスの動きを制し、逆に腕を取ってキムラロック。ペティスは両手をクラッチし必死のディフェンス。手が離れた瞬間に勝負は決まる。会場もヒートアップしたが、ここは王者が意地を見せて防いだ。
5ラウンドに入っても、ドス・アンジョスは悲願のUFC王座に向けペースを落とさない。反対にペティスは時間が経つほど粘りがなくなり、テイクダウンからサイドにつかれ、バックも許した。最後もドス・アンジョスが攻めたまま終了のゴングが鳴る。
激戦区のライト級。長期政権を築くかに思われたペティスまさかの完封負けに、ファンからも「しばらくペティス政権が続くと思ったのにな」「ペティスの見せ場が皆無だった」「そんな。ペティスが負けたなんて」と、予想外という声が多く聞かれた。
ドス・アンジョスはUFCデビューいきなり2連敗から勝ち星と実績を積み重ね、6年以上かけようやくたどり着いた初めてのタイトルマッチ。堂々の王座奪取に「全ラウンドで王者を圧倒!凄えー!パーフェクト!」「ペティスが打撃であんなに押されるとは微塵も思えなかった。打撃、柔術、レスリングどれも強すぎて穴がない」など、強いチャンピオンの誕生を祝福した。
次から次に強者が現れるライト級。挑戦を受ける立場となったドス・アンジョスは、果たして長くその座を守ることができるだろうか。
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Rafael dos Anjos (@RdosAnjosMMA) March 15, 2015