NBAの下部リーグドラフトが11月1日に行われ、日本代表の富樫勇樹はサンタクルーズ・ウォリアーズに2巡目で指名された。
富樫はマーベリックスのサマーキャンプに参加し、先月には同チームと契約を交わしていた。田臥勇太以来2人目となるNBAと契約した日本人と注目されたが、21日にウェーバー公示され自由契約となった。
話しを分かりやすくするため、ここで田臥のNBA契約と富樫のNBA契約は異なるものだったことを、整理しておきたい。
通常NBAではサマーキャンプに参加した選手は基本、全員と契約する。開幕ロースターに残れる選手も、その可能性がない選手も全員だ。もともとチームは富樫が登録選手として開幕を迎えられる可能性は、「万にひとつそういうことがあれば」程度のものと考えていた。
富樫の契約内容は明確な金額がなく、出場によって報酬が算出されるものとなっていた。これはNBAでは一般的な形だ。万が一にも大化けしてくれればいいし、そうでなければチームは負担なく切れる。
チームとしては富樫と一旦契約を結び、下部リーグ(NBADL)で提携するテキサス・レジェンズで経験を積ませるため、再契約するまでがセットと考えていた。現に10月下旬に都内で会見を開いた富樫は、マーベリックス傘下のチームと契約するため11月2日に再渡米すると語っている。
NBADLも通常はドラフトで選手を振り分け戦力の偏りをなくす。しかし、提携しているNBAチームのキャンプに参加した選手は、この手続きを経ることなく直接チームに加入させることができるのだ。
マーベリックスのドニー・ネルソンGMはテキサス・レジェンズの共同オーナーでもある。ネルソンは先月の富樫解雇直後から「彼はレジェンズでプレーする」と言ってきた。
今回サンタクルーズ・ウォリアーズに指名されたことで話が分かりづらくなった。しかし現地では既にウォリアーズとレジェンズ間でトレード成立とリリースされており、富樫はDリーグ開幕をレジェンズで迎えそうだ。
「本当に頑張ってください」
「富樫すげーな~」
「NBA入りして話題になればいいね」
「1,2年後くらいに開花できればワンチャン」
「富樫NBA行けるといいな」
アメリカ流の契約や、チーム間の駆け引きのため混乱しているファンも多いが、いずれにしろ富樫はDリーグでプレーする機会を与えられ、今季はアメリカでNBAを目指す。そこに変わりはない。
最もNBAに近い日本人、富樫勇樹に今季は注目だ。
《岩藤健》
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