今シーズン限りで引退を表明しているデレク・ジーターは、日本時間9月26日に本拠地ヤンキースタジアムでの現役最後の試合に、2番ショートで先発出場した。
試合は先発した黒田が立ち上がり1番、2番に連続ホームランを浴び、オリオールズに先制を許す、まさの展開。しかしヤンキースはすぐさま裏の攻撃で追いつく。黒田も2回以降は強力オリオールズ打線をヒット1本に抑える完璧なピッチング。
7回、満塁のチャンスで打席が回って来たジーターはショートゴロ。これを相手野手が悪送球しランナー2人が帰る。ヤンキースはさらに1点追加し7回終了時点で5-2とリードした。
完投すれば200イニング登板を達成する黒田だったが、ジラルディ監督は本拠地でのセーブ機会にクローザーのロバートソンをマウンドに送る。しかし、これが裏目に出る。
ロバートソンが2ラン、ソロと2本のホームランを打たれヤンキースは同点に追いつかれる。同時に黒田の勝ち星も消えた。
嫌な流れの中で9回裏。1アウト2塁のチャンスに打席はジーター。ホームの大声援を受けたキャプテンの打球は、彼のキャリアを象徴するようなライトへのサヨナラタイムリーヒット。
誰かが脚本を考えたとしか思えない展開にファンも大騒ぎだ。
「ジーターってやっぱスターだわ。黒田はかわいそうだったけど」
「ホントマンガみたいな展開。鳥肌立った」
「ジーターかっこよすぎる」
「黒田の勝ち星と引き換えにジーターのサヨナラ打を召喚したロバートソンさんは最高の演出家」
「ジーターのジーターによるジーターのためのラストゲーム」
これぞスーパースターという1打に、感動を通り越し信じられないといった感想があふれる。
《岩藤健》
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