【小さな山旅】ツリークライマーと低山ハイク…奥久慈男体山(2) | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【小さな山旅】ツリークライマーと低山ハイク…奥久慈男体山(2)

オピニオン コラム
ロープや安全保具を付けて木に登る「ツリークライミング」。ツリークライミングを利用して、木の枝打ちもできる。詳しくはWEBで。http://www.treeclimbingjapan.org/index.html
  • ロープや安全保具を付けて木に登る「ツリークライミング」。ツリークライミングを利用して、木の枝打ちもできる。詳しくはWEBで。http://www.treeclimbingjapan.org/index.html
  • 今回の山の同行者、ジマさんが代表をしている「ツリーフロッグ」。http://www.go-treefrog.com/今後は、プロジェクトワイルドという子供向けの環境プログラムと組み合わせたプログラムも開催予定。
  • 足でロープを蹴るようにして、木に登っていく。体重の軽い子供はスイスイと登っていくが、運動不足の大人にはちょっときつい。
  • 木の上から見る景色は格別! 非日常的景観が木の上に待っている。
  • こちらがジマさん。海に川、木に山と様々なアウトドアに精通する、アウトドア・フィッターだ。今回は筆者のリベンジ登山の同行を、快く了解してくれた。
  • 登山中のジマさんと、出発地点の大円地駐車場で知り合った男性。途中まで3人一緒に登った。
  • 今回の筆者の山道具たち。今回は気合十分でハイドロも持っていった。
  • 奥久慈男体山には、少々歩くことになるが電車で行くことも可能。登山口近くの駅「西金駅」。
「苦手な山」を克服するために、再挑戦することを決めた今回の奥久慈男体山登山。

しかし、単身であの恐怖の山に挑むのは、何とも心もとないものであった。誰か同行者はいないだろうかと探していると、一人の男性の顔が頭に浮かんだ。

それは、ツリークライミングのイベント活動をしている「ツリーフロッグ」の小島裕正さん、通称「ジマさん」である。ジマさんは、2年前の男体山登山の際に、鎖場をびくびくしながら下りている筆者に対し、「大丈夫?」と優しく声をかけ、手を差し伸べてくれたその人である。

◆ツリークライミングとは?

経営管理士(経営コンサルタント)を本職とするジマさんは、その傍ら、様々なアウトドア活動をしている。以前にはダイビングショップで勤務していた経験もあり、水辺から陸地まで幅広くカバーする、オールマイティなアウトドア・フィッターだ。

そのアウトドア活動の中心にあるのが、ツリークライミング。ツリークライミングとは、ロープやサドル(安全帯)、安全保具を利用して木に登る体験活動のことである(画像参照)。この体験会を開催できる資格「ファシリテーター」を茨城県内で取得しているのは、ジマさんと、そのパートナーの方の二人だけだ。

「最近はどこの公園でも木登りが禁止されているから、子供も大人も、木と触れ合う機会が少なくなっています。ツリークライミングは、木という存在を再認識できる良い機会だと思います」

ジマさんの言う通り、街中での生活は木と直接触れ合う機会が少ない。ジマさんは、ツリークライミングを通して、忘れかけられた木の温もりを人々に伝えているのだ。

◆木登りの達人と、岩山に登る。

木登りの達人・ジマさんは、山にも登る。ジマさんの初登山は、「茨城県民ならば当然」な小学校の遠足で行った筑波山。中学時代も学校行事で山に登ったが、その後はしばらく山とは疎遠の生活が続いた。そんなジマさんと山を再び結びつけたのは、父親の存在であった。

「自営業だから、父とは毎日顔を合わせているけれど、仕事以外の部分でコミュニケーションが取れていなくて。それで、父が若い頃から山をやっているのは知っていたので、福島県の安達太良山に一緒に登ったのが、山を改めて登り始めた最初の機会でした」

それ以来、ジマさんは年に4~5回ほど山に登るようになったという。

景色の良さに達成感。一般的に言われる山の魅力の他に、ジマさんはもう一つ、登山の魅力を見出していた。それは、「体力の確認」である。

「私は、ダイビングもやるし、サーフィンもやるし、木登りもやる。山登りってかなりツライので、それを自分がどこまでできるか確認しています。例えば、まだ富士山に登れる体力があるんだなとか。山登りで体力を確認して、他の活動に活かしています」

何ともパワフルなジマさん。これほど頼りになる山の同行者は他になかなかいないだろう。

(ジマさんと一緒ならば、今回ダメでもまた助けてくれるだろう)

そのような甘い考えを抱きながら、リベンジ登山に挑んだ。
《久米成佳》

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