【アーカイブ】別格のヒルクライム性能を持ちながら優美な走り トレック マドン6.9 安井行生の徹底インプレ 2008年モデル | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【アーカイブ】別格のヒルクライム性能を持ちながら優美な走り トレック マドン6.9 安井行生の徹底インプレ 2008年モデル

オピニオン インプレ
【アーカイブ】別格のヒルクライム性能を持ちながら優美な走り トレック マドン6.9 安井行生の徹底インプレ 2008年モデル
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平地から登坂までハイレベルな万能選手 別格のヒルクライム性能を持ちながら優美な走り








6.9のプロフィットにアッセンブルされていたホイール (アイオロス5.0カーボン) は高速域に特化したモデルだったため、ゼロ加速は決して軽くなく、登坂でもどっしりとした重みを感じる。この組み合わせでは、初期加速や登坂において、他のハイエンドバイクと比べて特に抜きん出たパフォーマンスを感じられるものではない (完成車の約100万円という価格を考慮したうえで、である。レベルは高い次元にあることを付け加えておく)。しかし巡航性は、さすが!の一言で、平地でチェーンをアウターギアにかけて踏み込むと、バイクは涼しい顔をしたままシュルルルルッと速度を上げ続け、まるでスピードメーターの天井が抜けたようである。







しかし、空力性能に優れてはいるが重量があり (ペア重量1610g)、剛性もそれほど高くないアイオロスだけで6.9を評価するのは酷というものだし、それは正確な評価とはなり得ないだろう。



なぜならば、前後で1200gほどの山岳向けロープロファイルカーボンホイールに履き替えると、6.9は途端にその性格と振る舞いを一転させるのだ。



この軽快感。このレスポンス。パワーのかかり。平地での加速はまさに疾風怒濤。



そして6.9と超軽量ハイパフォーマンスホイールを組み合わせてのヒルクライムは、まったく夢のようである。シッティングからダンシングに移行した瞬間に表情ひとつ変えずスルリと前に出る乗車感は無機質といえなくもないが、高ケイデンスでのダンシングヒルクライムの軽快さはライバル達を引き離し、別格だ。しかもそこに過剰なレーシーさはなく、ルックスだけでなく走りにおいても、それがどんなシーンであろうとも、エレガントですらある。あの世界チャンプバイクのように 「炸裂する」 感覚はないが、正体を暴いてやろうと渾身の力で踏み込んでも、強靭なフレームがそれをあっさりと受け止め、脚力がベチャッと底付きしてしまうことがない。







「Only From TREK」 という言葉通りのパフォーマンス 羽のように軽く鋼のように強い、理想の走行感







ただ、6.9のプロフィット完成車には平地専用ホイールと言っても良いアイオロスが、パフォーマンスフィット完成車には山岳向け超軽量ホイールのトリプルXライトが付いてきてしまう点に疑問を感じる。僕みたいに 「6.9プロに軽量カーボンホイールはかせてめくるめく快楽のヒルクライムを楽しみたい」 と思う人や、「イージーなパフォーマンスフィット&エアロホイールでゴージャスな高速走行をエンジョイしたい」 と考えるライダーも多いはずだ。ホイールを選択できるようになるともっとイイのだが。







昨年8月、日本のプレスに向けて発表されたニューマドン。以来、様々な場所で、僕はニューマドンについての構造やライバルに対するメリットを嫌というほど聞かされてきた。マドンと “新世代” だの “革新的” だのという単語はセットとして語られ、もはや耳タコというのが正直なところだ。だが実際に最高峰モデルである6.9を走らせてみると、それが事実だということを否応なく納得させられてしまう。



完成車で100万円近い価格、完璧なプロポーション、洗練されたカラーリング。それは芸術性を感じる初めてのトレックであり、欧州車のオーナーが初めて欲しいと思うトレックかもしれない。



しかし6.9の本質は、そのルックスにも市場価値にもない。芸術がどーたらでも、ヨーロッパ志向の視線をアメリカへと向けさせることでも、もちろんない。

他のどんなバイクの、どの部分にも似ていないマドンの形状は、CAD (computer aided design) が勝手に作り上げたものではないのだ。考え出すのはあくまでも人間であり、コンピュータは “aid=支援” しているにすぎない。



このマドンは、エンジニアが理論を駆使し、経験を総動員してアイデアを搾り出し、研究し、論じ、吟味し、解析し、試し、「理想的な設計」 を徹底的に追求した結果として生まれた、完全なる高みを目指したバイクであろう。シートピラーやボトムブラケットやフォークなど各パートの汎用性の少なさ (と価格の高さ) は、その些細なる負の副産物である。



マドン6.9の本当の凄さは、常識を脱し完全を目指したコンセプト、それを実行に移したトレックの組織力、それを机上論で終わらせなかった技術力にある。

だからこそ、この美しいマシンは 「そっと回すと羽のように優しく軽く、ガツンと踏めば鋼の強さ」 という天性の才能を持っているのだ。



配布されたマドンの資料には、太い文字で “Only From Trek” と書いてある。



トレックにしかできないこと。



ヨーロッパ車好きとしては少し悔しくもあるが、おそらく、それは事実である。


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