ツール・ド・フランス第5ステージは今大会唯一のパベと呼ばれる石畳を走るコースだ。過去のツールでもパベがコースに取り込まれたことがあり、選手たちを苦しめた。
そのパベで今大会でも総合2連覇のかかっていた英国のクリストファー・フルーム(スカイ)が落車。同じ英国のマーク・カベンディッシュ(オメガファルマ・クイックステップ)も初日にやはり落車でリタイアしており、英国リーズで開幕を迎えたツールだが英国人にとっては悲劇が続いている。
パベは実際に見てみると「本当にここをロードバイクで走るの?」と思わずにはいられないほど、悪路としかいいようがない。クラシックレースのパリ~ルーベはやはりパベを走るのがレースの魅力だが『北の地獄』と呼ばれている。ぴったりの形容だ。
しかも今回は雨だ。テレビで観戦するぶんにはいつも以上に過酷で迫力のあるレースを楽しめるだろうが、選手にとって今大会でここ以上に辛いステージはないのではないだろうか。悪天候によりパベの2区間を迂回するコースに変更されたが、地獄であることに変わりはなかったようだ。
《五味渕秀行》
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