ママチャリ4時間耐久レース 1000人がサーキットを走り抜けた | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

ママチャリ4時間耐久レース 1000人がサーキットを走り抜けた

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プロに負けたくない!
  • プロに負けたくない!
  • 走るスタイルは人それぞれの『もてチャリ』
  • 青空に恵まれたツインリンクもてぎ
  • ブリツェンもブラーゼンも今日はママチャリ
  • スタートダッシュ!
  • もてぎエンジェルが「いってらっしゃーい」
  • ママチャリだったらプロにも負けないぞ!
  • ぼく、ドラえもん
自転車のレースといえばロードバイクやマウンテンバイクがまず頭に浮かぶ。しかし今日はママチャリ! 

ゴールデンウィーク後半、栃木県茂木町に全国からママチャリライダーが約1000人、150チームほど集まった。モーターレースファンにはお馴染みのツインリンクもてぎで『第2回もてぎママチャリ4時間耐久レース「もてチャリ」』が開催されたからだ。

◆単純明快、誰でも参加!

もてチャリのルールは簡単。ツインリンクもてぎのサーキットを使って、周回コースを4時間ママチャリで走るだけ。参加資格は小学生以上で3人~8人のチーム単位となる。さらに会場内でバーベキューも楽しめる。

これで面白くないわけがない。ただしママチャリといっても色々ある。もてチャリはレースを以下の5つのカテゴリーに分けている。

・変速機なし
・変速機あり(8段以内)
・カスタマイズ
・男女混合
・ファミリー

全カテゴリーとも27インチ以下のママチャリさえ使用すれば、オーソドックスな変速機なしはもちろん、変速機ありを使ったり、カスタマイズで少しでも速く走れるようパーツ交換するのもアリだ(ハンドルとフレームは改造不可)。ただし『前かご』は必ずついてること。

ママチャリを持っていない人はレンタルすることができる。この日はキッズ用20台、変速機なし100台、変速機あり50台が用意された。

◆裾野拡大へ

もてチャリは今年で2回目の開催となるが、長年行われている『もてぎ7時間エンデューロ』にはロードバイクやマウンテンバイクに混ざってママチャリ部門もあった。今年ももてぎ7時間エンデューロにママチャリ部門は残っているが、昨年から独立してママチャリオンリーの大会も開かれることになった。

さて、12時ちょうどにママチャリによる4時間耐久レースがはじまった。スペシャルゲストとして地元栃木の誇るプロチーム、宇都宮ブリッツェンと那須ブラーゼンの選手たちも参加。彼らの目は真剣そのもの。スタートの合図がなるや飛び出していった。

しかし、これはママチャリのレース。ロードバイクなら市民レースといえど殺伐とした雰囲気が漂うこともあるが、ママチャリなので大半がのんびりしたスタートだ。

よく見ると参加者にはドラえもんやマリオがいる。 コスプレして走ったって構わないのだ。自転車専用ジャージを着る人もいるが、数は多くない。みんな思い思いの服装で走っている。

◆モータースポーツファンにはたまらないコース設定

レースはロードコース(4.8km)とスーパースピードウェイ(2.4km)を使った周回コースだ。オートバイのMoto GPなどビッグレースにも使用されるコースを走れるのだから、モータースポーツファンにはたまらない。

1周目を終えた先頭グループがスタート地点に戻ってきた。ママチャリとは思えないほど速い。ひじをハンドルに置き、手で前かごをつかみ前傾姿勢で空気抵抗を減らして走っている。

ロードバイクのレースと違うところは、複数の選手がまとまって走る『集団』ができないことだろうか。速い選手は3、4人程度で足並みをそろえて走っているようだが、1人旅で走る姿は多かった。

◆仲間で楽しめるように

もてチャリはバーベキューも楽しめる。ロードコース横の高台でお肉を焼きながら、仲間の応援と待機ができるのだ。お肉を食べたら専用パドックへ行って選手交代! バーベキューセットもレンタル可能だ。

ところで、参加者たちはなぜママチャリのレースに出てみようと思ったのだろう?

「ノリです!」
「家族で楽しめそうだったから!」
「普段は車のレースを趣味でやっていて、ママチャリも面白そうだったから!」

答えはそれぞれだったが、共通していたのはみんな笑顔だったことだ。ロードコースには762mの上り坂もあり、ママチャリで走るにはけっしてラクなコースではない。パドックに帰ってきた人はみんな苦しそうだ。でも、いい表情をしている。

ママチャリにしか乗ったことがない人はコースを約20分、ロードバイクなどで普段から走っている人は約15分ほどで走れるようだ。チームは最大8人で作れるので、8人チームなら1人当たり1~3周すればいい。

◆自転車コミュニケーションツールにすぎない。大切なのは楽しいかかどうか

みんなで楽しんでいるうちに時間はあっという間に過ぎていく。気がつけば時計は16時になろうとしていた。ママチャリといえどもレースなので順位は着く。しかし順位関係なしに、参加者はみんな晴れ晴れした顔だった。ゴールデンウィークに家族や友人と一緒に汗を流して、お肉を食べて、コスプレして。ママチャリ耐久レースは最高の時間の使い方の1つといえるだろう。

ちなみにブリッツェンの廣瀬ゼネラルマネージャーによると、ママチャリで速く走るコツは「踏み足をしっかり」だそうだ。シューズをペダルに固定するロードバイクのように『引き足』を使えないから、とにかく『踏み足』とのこと。

子供から大人まで誰でも気軽に参加できるもてチャリ。来年も開催されるときは、連休の予定に組み込んでみてはいかが?
《五味渕秀行》

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