本州と四国を結ぶ瀬戸内しまなみ海道は、国内はもとより海外からも観光客が訪れるサイクリングの聖地です。
私も開通した1999年以来、何度も訪れていますが、そのたびに環境の整備が進み、利用者が増えていることを実感します。今ではモデルルートの道路端にブルーラインが引かれ、地図を見ずとも走ることができますし、しまなみサイクルオアシスと名づけられた休憩所ができ、そこでは飲料水やトイレの提供、空気入れの貸し出しなどを行っています。
レンタサイクルも各所に用意されており、なかでもジャイアントストア今治が販売とともに手がけるスポーツ自転車のレンタルは、四国側起終点の今治駅構内にあるという立地と相まって、電車から降りたその足で自転車にまたがり、70km余り先の本州側起終点、尾道まで走破するという夢を現実のものにしてくれます。
◆乗り捨てサービス開始
ただし勢いに任せて走りきったはいいものの、困るのは手元に残された自転車。
これまではもう一度瀬戸内海を渡り、返さなくてはなりませんでした。そこに朗報。「この場で乗り捨てられれば、あとは電車に乗って帰るだけなのに…」と誰もが思いつくであろう願いが、ようやくかなえられることになりました。この3月にオープンするジャイアントストア尾道との間で、相互に乗り捨てできるサービスが始まるのです。
料金は自転車の貸出料と合わせて7000円~1万6000円/日(税別)。これでしっかりメンテナンスされた最新のスポーツ自転車を駆ることができるわけですが、なじみのない人にとっては、それでも高く感じることでしょう。これが購入のきっかけにもなるとの見地に立って、同店には一層のプライスダウンを望みます。
◆しまなみ海道周辺の新たな取り組み続々
瀬戸内しまなみ海道の界隈では、ほかにも新たな取り組みが始まっています。完成車のまま客室に自転車を持ち込めるホテルサイクルやサイクルスルーのシステムを導入するヤードカフェなどが、ジャイアントストア尾道とともに複合施設オノミチユーツーの一翼を担うことになりますし、四国側に目を転じれば、今治と県都松山を結ぶ特急いしづちに、完成車のまま自転車が載せられるようになります。
電車に乗って尾道を目指し、そこで自転車を借りて瀬戸内海を横断。今治に着いたらそのまま電車に乗って松山に向かい、自転車の機動力を生かして道後温泉など周辺を観光。そして、ふたたび電車で戻った今治で自転車を返して帰路につく…などということが簡単にできてしまうわけです。
あとはあなたのやる気次第なのですが、「自転車に乗る練習を始めないと」って、そこからですか!
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