ツール・ド・フランス13 基礎知識 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

ツール・ド・フランス13 基礎知識

スポーツ 短信

ツールを100倍楽しむための基礎知識
ツールを100倍楽しむための基礎知識
専門用語が多く、独特の言い回しもあるロードレース用語を分かりやすく解説しました。 これを読めば自転車競技が100面白くなる!

アタック
集団から飛び出し、スピードを上げて逃げること。

アシスト
エース選手を助ける選手をアシストと言い、レース中はボトルを何本も背中に詰めて運んだり、風よけのために自らの体力を酷使して先頭を走ったり、エース選手がパンクした時には自分のホイールを渡して付け替えたりもする。先頭を走っていても時にはエースのために、後続集団に戻らなければならない場合もある。このように自らを犠牲にしてまでエースのために尽くすアシスト選手は、チームにとって重要な存在となる。

ビラージュ
ビラージュ
フランス語で『村』と言う意味。スタート地点にはビラージュと言われるフェンスで囲まれた場所があり、選手、招待客、報道陣、レース関係者など特別なパスを持った人のみ入ることができる。ツールのスポンサーになっている企業が毎朝テントを建て、企業アピールする。軽食も用意され、各地の特産品が振舞われる。選手たちはここでコーヒーを飲んだり、新聞を読んだり、電話をしたり、家族と会って話をしたり、レース前にくつろぐ場所となっている。

エース
総合上位、またはポイント賞や山岳賞を狙える実力のある選手のこと。チーム内に一人いることが多く、アシストのサポートを受けながらレースを進める。

オーバータイム
ある決まった時間を過ぎてゴールするとオーバータイムとなり、ゴールしても失格となってしまう。厳しいのぼりが続く山岳ステージでは、必死で走り切っても数秒足りず失格となり、涙を流す選手も出てくる。レースの最初から何分遅れがアウトと決まっているわけではなく、レースの難度と平均時速によって決まった指数があり、その日にトップでゴールした選手のタイムから計算して、オーバータイムが決まる。

敢闘賞
スポーツ選手として勇敢なレースをした選手に贈られる賞。主催者やプレス代表などが審査員となり、毎日レース後にその日の健闘した選手が選ばれる。ポイントなどはなく、その日限りの賞で、審査員の主観的な賞でもある。敢闘賞の選手は翌日のスタート前に赤ゼッケンが渡され、それをつけて走る。最終日には、全レースでの活躍を評価して最優秀敢闘賞が発表される。
敢闘賞

キャラバン隊
キャラバン隊
レース約1時間前にコースを通過し、集まった沿道の観客にグッズを配る広告カーの行列をキャラバン隊という。日本では考えられない程、派手で凝った演出の張りぼて車が、音楽と共に通過し、観客達を喜ばす。他では入手不可能のツールキャラバングッズは人気が高く、観客達も一喜一憂しながら、キャラバン隊を楽しむ。

個人タイムトライアル(個人TT)
決まった距離を一人ずつ走り、所要時間を競うこと。タイムトライアルを略して、TTと言うことも多い。個人の力量が如実に現れるため、選手間のタイム差がつきやすく、総合優勝を狙う選手にとって、この種目での成績は大きなウェイトを占める。この競技は風の抵抗をできるだけ避けるため、特別な自転車とヘルメット、ワンピースウェアを装着して、レースを行う。ロスタイムをできるだけなくし、ペース配分を考えながら走ることが必要となる。
個人タイムトライアル

スタート
スタート
出走する選手は毎朝スタート地点にあるサイン台で、決まった時間までに出走サインをしなければならない。怠ると100スイスフランの罰金が課せられる。選手たちは町の中心地からスタートするが、これは名目上のスタート「デパール・フィクティフ」と言い、少しの間パレード的な走りをする。郊外の0km地点の表示があるところから、実際のレースが始まる。

スプリント
ゴールやスプリントポイント(上位通過者にポイント賞のポイントが与えられる地点)の上位通過を目指してスパートをかけること。

ステージ成績
プロローグを除く、1日に走るレース区間のことをステージと言い、選手がスタートしてからゴールするまでの所要時間がステージ成績となる。1番早くゴールした選手が優勝でステージ優勝または区間優勝と言う。ステージ優勝した選手は、レース後の表彰のみでジャージは与えられないが、ツールで区間優勝することは選手として名誉あること。ツールの記録に残るため、ステージ勝利を狙って一発勝負する選手も多い。

集団ゴール
何人かでまとまってゴールした場合は、最初に入った選手と同じタイムになる。つまり、大集団の後ろの方でゴールしてもゴールタイムは先頭の選手と変わらず。ゴール3km以内で落車やパンク、メカトラブルなどが起った場合、いくら遅れてもゴールラインを超えてゴールすれば、事故が起った時にいたグループと同じゴールタイムとなる。しかし、もしゴールラインを超えられなかった場合にはステージ成績の最後の成績となる。

先頭交代
集団の先頭を交代しながら走ること。一人で先頭を走ると風圧を受け、体力を消耗してしまうので、数人で先頭を交代しながら走ることにより、ハイスピードを維持して走行できる。

チームカー
各チーム2台のみレースとともに走行できる。チームカーでは監督がチーム専用の無線で指示を出しながら運転し、パンクなどの緊急時にすぐ飛び出せるように後方座席にメカニックが座る。チームカーは個人総合成績順位の高い選手が所属するチーム順に並び、日々隊列番号が変わる。全チームの第1チームカーの隊列の後ろに第2チームカーが控える。ある選手が2分以上の差をつけて逃げている場合、許可を得れば順番に関係なくチームカーはその選手の後ろにつくことができる。
チームカー

チーム成績
各チーム、その日のステージ成績上位5選手の所要タイムを足し、日々積算したものが、チーム成績となる。一番タイムの少ないチームが1位になり、翌朝スタート前に出走サイン舞台上で表彰される。特別なジャージはなく、メダルと現在この賞のスポンサーになっているフランスのLCLのマスコットであるライオン人形が各選手に贈られる。チーム成績でトップとなることは、チームのスポンサーにとって良いアピールとなる。

逃げる
集団から先行し、上位ゴールや中間ポイントの獲得を狙うこと。集団で走行するより風圧を多く受けるので体力を消耗する。逃げている選手が複数になる場合は「逃げ集団」と呼ばれる。

プロローグ
ステージレースの初日に行われる距離が8キロ以下の個人タイムトライアルをプロローグと言う。

ペナルティー
ペナルティーにはスイスフラン(1SF=約100円)での罰金、個人総合成績に加算されるペナルティータイム、順位を下げられる降格、レースから除外される失格の4種類がある。ゴールスプリントで他の選手に対し危険な走行をした場合、200SFの罰金、30秒のペナルティータイム、その集団最後尾への降格の3つが課せられる。補給もスタートして50kmまでは200SFだが、ゴール20kmを過ぎてなら200SFと20秒のペナルティータイムだ。よくある罰金は、出走サインをせずにスタートした100SFや観客に押してもらった20SFなど。

補給
補給
選手たちは走りながら、水分や栄養を補給する。コースには補給地点があり、チームスタッフが先回りして、サコッシュと呼ばれる袋を走る選手に手渡しする。この中には、甘いタルトやバナナ、エネルギーバー、ボトルに入った水やスポーツドリンクなどがありチームによって違う。コースを走るチームカーからも補給を受けられるが、スタート50km地点からゴール手前20kmまでで、それ以外では罰則になる。暑い日には早めに水分補給を認められることがある。

マイヨジョーヌ(個人総合時間賞)
フランス語で『黄色いジャージ』と言う意味。個人総合成績トップの選手が着用する。誰が総合成績トップなのか一目で分かるよう1919年に導入され、当時レースを主催していた新聞社の新聞が黄色だったのでこの色になった。個人総合成績は各選手のレース所要時間に、ペナルティーやタイムを加算したタイムを日々積算したもので、タイムが速い選手がトップとなる。最終日のパリでこれを着た選手が優勝者となる。
マイヨジョーヌ

マイヨベール(ポイント賞)
フランス語で『緑色のジャージ』と言う意味。平地を得意とし、集団ゴールの時に僅差で勝つ選手をスプリンターと言い、彼らにとって名誉あるのがこのジャージである。コース途中に設けられた中間スプリントとゴールの着順でつくポイントを日々加算したものがポイント賞成績となり、トップの選手にこのジャージが与えられる。ツール50周年記念に作られた賞で、最初のスポンサーが園芸洋品店だったので緑色になった。
マイヨベール

マイヨブラン・アポワルージュ(山岳賞)
フランス語で『赤い水玉ジャージ』と言う意味。上りに強い選手をクライマーと言い、彼らにとって名誉あるのがこのジャージである。峠の頂上通過順位によってポイントが与えられ、それを積算したものが山岳賞成績になり、トップの選手にこのジャージが贈られる。峠には上から超級、1級、2級、3級、4級と難度があり、難度が高いほど多くの山岳ポイントがつく。ステージ最後の峠がカテゴリー1・2級の場合、ポイントは倍になり、最後の峠をどの順位で通過するかも重要になる。
マイヨブラン・アポワルージュ

マイヨブラン(新人賞)
フランス語で『白いジャージ』と言う意味。25歳以下の選手のみを対象とした個人総合成績でトップの選手が着るジャージ。昔はプロ3年以内が新人賞の対象だったが、今は年齢による若い選手に与えられる賞で競技歴は関係ない。このジャージは1975年に始まり、1989年以降ジャージの着用はなかったが、2000年から復活した。この賞を獲得することで、将来マイヨジョーヌが有望視される。
マイヨブラン

列車
平地のコースで集団スプリント勝負となる場合、スプリンターを擁するチームがラスト2キロくらいから、スピードを上げて縦一列の棒状になり、列車のような隊列を組んで、エースであるスプリンターをゴールラインめざし、連れて行く体制のこと。トレインや列車を組むとも言う。

各項目の写真は山口和幸著「もっと知りたいツール・ド・フランス」=八重洲出版刊より。
《編集部》
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