もてぎ優勝の橋川健がそのレース展開をレポート | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

もてぎ優勝の橋川健がそのレース展開をレポート

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 4月8日に栃木県茂木町のツインリンクもてぎで行われた「第9回シマノもてぎサイクルロードレース」のエリート1のクラスで、橋川健(36=マトリックスパワータグ)がラスト3kmを独走し、2位の小室雅成(コムレイド)に約2秒の差をつけて優勝した。橋川の優勝は05年の実
  •  4月8日に栃木県茂木町のツインリンクもてぎで行われた「第9回シマノもてぎサイクルロードレース」のエリート1のクラスで、橋川健(36=マトリックスパワータグ)がラスト3kmを独走し、2位の小室雅成(コムレイド)に約2秒の差をつけて優勝した。橋川の優勝は05年の実
 4月8日に栃木県茂木町のツインリンクもてぎで行われた「第9回シマノもてぎサイクルロードレース」のエリート1のクラスで、橋川健(36=マトリックスパワータグ)がラスト3kmを独走し、2位の小室雅成(コムレイド)に約2秒の差をつけて優勝した。橋川の優勝は05年の実業団飯田大会以来18カ月ぶり。シマノもてぎでは2000年以来8年ぶりの優勝。この時もラスト3kmで独走を決めている。
 その橋川がレース展開をレポートする。

 ヨーイドンからラバネロがペースを上げて一列棒状を作る。1周目からアタックがかかり、数名が飛び出しては吸収を繰り返した。2周目の登りを過ぎたあたりでなんとなくペースが上がり、それに反応していたら後が来ない。こうして約10名の逃げが決まる。ここにミヤタ、アンカーの選手は3~4名が送り込まれており、マトリックスからは僕一人。

「今日はアシスト」と決め込んでいたし、10名の逃げにアンカーが4名いて、ここでガンガン引くのも馬鹿らしいので、積極的に引くことはなく、ローテンションに加わっているだけだった。4周目くらいに後からグリーンのジャージが見えてきた。体形から察して一人は三船さんだと分かったので、先頭集団の後方に回り後を待った。

 しかし5周目に入ってもあと50mが縮まらず、なかなか追いついてこない。そして先頭集団からはアン
カーとミヤタがアタック。さらに小室選手が続き、3名が先行。ここではまだアシストのつもりだったので、ここで僕が追うと先頭集団のペースがあがってしまい、三船さんを含んだ集団は先頭集団に追いつけない可能性がでてくるので、さらにガマン。三船さんが追いついてきたのを確認して登りを利用してアタック。前の4名に合流したが、頂上でまた集団は1つになった。

 先頭集団は約15名。アンカーは田代、飯島選手を含む4名、ミヤタは鈴木、柿沼選手を含む4名、シマノは山本、阿部選手を含む3名。この中で2名のマトリックスは絶対不利。積極的にレースを作ることよりも、アンカー、ミヤタにレースの主導権を握らせて、橋川が逃げに乗るチャンスをうかがい、三船選手はゴールスプリントに備えた。

 ラスト2周。登りで小室選手がペースを上げ、これに山本選手が反応。さらに橋川が続き、小室選手がペースを上げると、この3名とアンカーの三瀧、ミヤタの増田を加えた5名になった。小室選手は昨年の実業団丸岡で山本、三船選手に続く3位に入賞しているスプリント力のある選手で、山本選手も昨年、実業団で3勝を上げたスプリンター。このまま行くと絶対に勝てない…。極楽ツアーではAまっちゃんにスプリントの挑戦状を僕から叩きつけたにも関わらず、最後はさされたし…。しかもエースである三船さんを後続に残したまま、僕が先行している以上、結果を求められる…。

 こうなったら逃げるしかない! ラスト1周。登りで小室選手が引いているタイミングを見計らってアタック。案の定、小室選手が鬼引きして追ってきた。1回吸収されて、小室・山本の後ろに入り、そこからもう一度アタック。後続は一気に差が開いていた。牽制しているらしい。残り3kmをとにかくペダルを踏んだ。後を振り返る余裕もなく、ラスト1.8kmから800mの直線を向かい風の中「とにかくここを乗り切れば…」という思いでひたすら耐えた。非常に緊張感があり、長い3kmだったが、わずか2秒差で小室選手から逃げ切った。

 今年から三船選手がチームに加わり、チームにとってレース展開的にいい方向に向かっている。昨年は安原監督に優勝をプレゼントできなかったのだが、今季のチームは西日本チャレンジに続いて2勝目。今シーズンは始まったばかり。これからも勝ち星を増やせるよう頑張りたい。
《編集部》
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