
今週は3歳牝馬クラシックの第一戦、第86回桜花賞(GI、芝1600m)が阪神競馬場で行われる。
今年は、阪神JF覇者スターアニスをはじめ、クイーンCを制したドリームコア、トライアルからはチューリップ賞2、3着のナムラコスモス、アランカールに、フィリーズレビュー2、3着のサンアントワーヌ、アイニードユー、アネモネS1、2着のディアダイヤモンド、ルールザウェイヴが参戦。加えて、ファンタジーS覇者フェスティバルヒルや、フェアリーSを制したブラックチャリス、無傷3連勝中のリリージョワなど好メンバーが揃い、ハイレベルな一戦となりそうだ。
そんな中、2歳女王スターアニスが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。
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■阪神JF覇者は意外に桜花賞を勝てていない
阪神JFがマイル初挑戦だったスターアニス。下馬評では距離が持つかどうか心配されたが、中団から早めに先頭に立つと、そのまま押し切って後続に1馬身1/4差をつけて、1分32秒6の好タイムで完勝。世代の頂点に立った。今季は初戦となるが、阪神JFからの直行ローテは近年のトレンドで、桜花賞では主役の存在。一冠目奪取に注目が集まるだろう。
過去10年の桜花賞で、阪神JF勝ち馬の成績は【2.2.0.0】と文句ない成績だが、2021年ソダシ、23年リバティアイランドと、意外と2勝しかしていないのも事実。阪神JFで敗れた馬が巻き返して桜花賞を制した例が2頭、そして阪神JF未出走馬が制したのが6頭なら、阪神JF覇者だからといって、簡単に頭から勝負するのには心許ない。
また、スターアニスは小倉芝1200mでデビューしているが、馬場が改修された2007年以降の桜花賞で、芝1200mデビューの馬が制したのは、08年レジネッタ、17年レーヌミノルの2頭のみで、短距離指向の馬が距離を持たせてマイルを制す、という例は少ない。小倉芝1200mデビューで桜花賞を制したのは、20頭いて前記レーヌミノル1頭のみで【1.0.0.19】の成績。このあたりも親和性という点では信頼度はかなり低いだろう。
加えて、中京2歳S→阪神JFと、近2走のスターアニスは、前後半800mで落差2秒近く異なるハイペースでの展開で、中団から脚を伸ばして好走を演じてきた。厳しい流れで真価を発揮する点は、強さの秘訣でもあるが、過去10年の桜花賞では、馬場が悪かった2017、20年を除き、前後半800mで極端に数字が変わるレースになることは少なく、スローあるいはミドルペースで展開される年がほとんど。今年の桜花賞も、ハイラップで先行していくタイプはおらず、例年と同様の流れになることが予想され、その際に、スターアニスが近走と同様の戦法で力を発揮できるかどうか、その対応力も求められる。
今年の3歳牝馬戦線は、重賞2勝をマークした馬がおらず、加えて今回は、チューリップ賞、フィリーズレビューの勝ち馬も不在。GIという格付けでスターアニスは一歩リードという見方はできるが、重賞1勝馬に過ぎない、という観点で見れば、他のどの馬にもチャンスがある混戦ともいえる。
父ドレフォンに母父ダイワメジャーで、血統面でもマイルは守備範囲ではあるが、母エピセアロームは短距離戦が主戦場だったことから、マイルが絶対的な得意分野とも言えない印象。加えて、阪神JF勝ち馬の桜花賞での戦績や、レース展開に左右される可能性など、絶対的な女王候補とは言い難く、少なくとも「頭」勝負は避けたい。
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◆著者プロフィール
石川豊●いしかわゆたか20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。



