
30日から千葉県の成田ヒルズカントリークラブでジャパンゴルフツアー選手会主催のフォーティネット プレーヤーズ カップが開催される。
注目は小平智。賞金ランキングは今季現時点(10月26日時点)で7位につけており、今回優勝すればトップに躍り出る可能性がある。
最近はショットの調子が良い。さらに開催コースが小平にとってプラスに働くかもしれない。
成田ヒルズCCを設計したピート・ダイは、小平が米ツアー初優勝を飾ったRBCヘリテージ開催コースの設計家だ。
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■ピート・ダイ設計
サウスカロライナ州のハーバータウンゴルフリンクスで開催された2018年のRBCヘリテージで、小平は米ツアー初優勝を飾った。
同コースはピート・ダイ設計で、米ツアー開催コースとしては距離が比較的短め。ドライバーショットの精度を武器にしている小平にとってそれがプラスに働いた。
ショット、特にドライバーショットの調子が向上している小平。難コース、成田ヒルズCCでもその精度を発揮して、いい位置からパーオンを狙えるのではないだろうか。
また、米ツアーで第5のメジャーといわれている、ザ・プレーヤーズ選手権の開催コースが、フロリダ州にあるTPCソーグラス。そして同コースの設計家はピート・ダイ。
成田ヒルズCCのアイランドグリーンの17番ショートホールや、左ドッグレッグでグリーンまで左側が池になっている18番ホールは、TPCソーグラスの17番、18番ホールとよく似ている。
ザ・プレーヤーズ選手権の経験も豊富な小平。このような点でも有利に働くのではないだろうか。
■ショットの調子向上
2017年にはフェアウェイキープ率2位でトータルドライビング1位に輝いた小平。この年はそのティーショットの精度をパーオンを狙うショットで生かし、パーオン率も1位だった。
今季現時点のフェアウェイキープ率は41位でパーオン率53位だが、7年ぶりの復活優勝をとげたISPS HANDA 夏の決戦・誰が一番強いんだトーナメント以降の大会では、持ち前のティーショット精度を発揮し、それを高水準のパーオン率につなげている。
小平の誰が一番強いんだトーナメント以降のトータルのフェアウェイキープ率は61.311%。これは、今季現時点での日本ツアーフェアウェイキープ率8位相当。
誰が一番強いんだトーナメント以降のトータルのパーオン率は70.085%。これは、今季現時点での日本ツアーパーオン率25位相当である。

小平智_日本ツアー最近8戦のFWキープ率とパーオン率順位
■米ツアー予選会最終ステージ挑戦権獲得なるか
米ツアー復帰へ向けて12月に開催される米ツアー2次予選会に挑戦予定の小平は、11月20日から開催されるダンロップフェニックス終了時点で賞金ランキング1位の選手に与えられる、米ツアー最終予選会の出場権を狙っている。
現時点で賞金ランキング1位の生源寺龍憲との獲得賞金の差は1900万円弱。フォーティネット プレーヤーズ カップの優勝賞金は3000万円で、13日から開催される三井住友VISA太平洋マスターズとダンロップフェニックスの優勝賞金は4000万円。逆転は十分に可能だろう。
小平は日本ツアー通算8勝の内、10月以降開催の大会が4勝。10月1日が最終日だった2017年のトップ杯東海クラシックを入れると5勝である。
今季の男子ツアー終盤の大会を最も盛り上げるのは、秋以降に強さを発揮してきた小平かもしれない。
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著者プロフィール
野洲明●ゴルフ活動家
各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。より深くプロゴルフを楽しむためのデータを活用した記事、多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとにした論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。



