
今週は福島競馬場で七夕賞(芝2000m)が行われる。夏競馬を彩る名物重賞に15頭が集結した。
ここでは、過去10年からセブンマジシャンとシルトホルンにフォーカスしたデータを取り上げる。
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■セブンマジシャンに”激走馬多数”の好データ
前走3勝クラス2着から臨むセブンマジシャン。1年以上使われた3勝クラスをいまだ勝ち上がれておらず、いささか無謀にも思えるローテーションだ。重賞のメンバー相手ではいくらなんでも厳しいのでは……そんな声に反発するデータがこちら。
・前走東京or阪神1600m組【2.0.2.2】
11番人気1着メドウラーク、12番人気3着パワーポケット、11番人気3着オリオンザジャパンと超人気薄の激走にいとまがない。前走ダートを使われた馬ですら馬券内に入っている点から、前走東京or阪神1600m組×七夕賞は“押さえ必須”の表現が大げさではないのだ。
セブンマジシャンについて補足すると、斤量55キロ以下は【2.1.0.1】と好走多数。斤量58キロが続いた近走から4キロ減の斤量54キロは大きなアドバンテージと言えるだろう。かつてホープフルSで3番人気に推された素質馬の開花が今回であっても不思議ではない。
■シルトホルンに「0.0.1.5」のマイナスデータ
一方で、前走ジューンSを制したシルトホルンには不安要素あり。夏の福島は重賞2着実績がある舞台。手薄なローカルのメンバーなら再度の上位進出を期待したいところだが、今回はローテーションがネックとなる。
・前走東京で勝利【0.0.1.5】
3番人気内3頭が出走したにもかかわらず、連対はゼロ。東京での勝利実績は七夕賞につながらないとのデータが出現してしまっている。
前走をはじめエプソムCやメイS、オクトーバーSとオープンクラスの好走が東京に集中するシルトホルン。4走前に先着を許したドゥラドーレスが出走する一戦でもあり、連対圏突入へのハードルは極めて高いものとなりそうだ。
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著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在は競馬メディア『Winsigh』、UMAJIN内「競馬サロン」で予想コラム執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。