
もはや立派な二刀流か――。10日(日本時間11日)の敵地パドレス戦で、6回2死から登板したドジャースのエンリケ・ヘルナンデス内野手。その投球について、相手4番打者が「カッターは今まで見た中で最もエグい」と称賛した。2回1/3を2失点でまとめた“好リリーフ”ぶりに改めて注目が集まっている。
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■球団史上最も早く6回から登板
ドジャースはこの試合、ブルペンデーを採用。しかし、2回から登板したマット・サウアー投手が、4回2/3で9失点するなど序盤から崩壊。するとデーブ・ロバーツ監督は、0-9の6回2死一塁からユーティリティの“キケ”ことE・ヘルナンデスをマウンドに送った。
今季3度目のリリーフ登板となったE・ヘルナンデスは、ジェイク・クロネンワース内野手に四球を与えたものの、続くタイラー・ウェイド外野手を中飛に打ち取り、この回を締めくくった。
7回はマニー・マチャド内野手に左越えの2点適時打を許し、今季初失点を喫したが、粘り強い投球で追加点を与えなかった。8回も続投し、安打や四球で走者は出したものの、無失点で切り抜けた。この日は結局、強打パドレスを相手に2回1/3を36球、3安打2四球2失点(自責点1)という内容だった。
米野球データサイト『Baseball Reference』のジェシカ・ブランド氏によると、6回から野手がマウンドに上がったのは「1958年に球団がロサンゼルスに移転して以降では、ドジャース史上最も早い。それ以前のブルックリン時代まで遡ると、1945年5月18日に2回から登板したベン・チャップマンという野手がいた」という。
■本職顔負けの「投手キケ」
米スポーツ専門局『ESPN』などによると、E・ヘルナンデスと対戦したパドレスの4番ジャクソン・メリル外野手は試合後、「キケの投げたカッターが、今まで見た中で1番エグかった」と振り返り、記者から「冗談か」と問われると、「いや、本気だよ」と答えたという。メリルは7回の第5打席で対戦し、49.4マイル(約79.5キロ)の“曲がり球”で一ゴロに打ち取られていた。
今季3度目のマウンドに立った「投手キケ」だが、ここまでの成績は4回1/3を6安打2失点(自責1)でまとめ、防御率は2.08。時にはアンダースローにフォームを変えて打ち取るなど、相手を惑わせる“頭脳派”ぶりも披露。与四球も2にとどめている。
“敗戦処理”という意味合いの強いリリーフ登板だが、結果的にまずまずの内容を残しており、話題となっている。
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