
ドジャースの大谷翔平投手が10日(日本時間11日)、敵地で行われたパドレスとの試合前にライブBP(実戦形式の打撃練習)に登板した。3イニング想定で、のべ打者11人に対して計44球を投じ、1安打1四球6奪三振という上々の内容。最速は96マイル(約154キロ)だったという。米複数メディアが伝えている。
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■投手コーチ「思い通りにボールを操っていた」
2023年9月に右肘を手術して以降、3度目となるライブBPに登板した大谷。術後最多となる44球を投じ、マイナーリーガー相手とはいえ、安打性の当たりを1本に抑え、6個の三振を奪った。
見守ったデーブ・ロバーツ監督は「彼は本当に良かったと思うよ。フォーシームには勢いがあったし、スイーパーもとても良かった。(打者たちも)ボールの出どころが見えにくかったと言っていたね。投数はたしか44球くらいだったと思うけど、本当に素晴らしかった」と絶賛した。
また、マーク・プライアー投手コーチも「今日の彼は、すべてのボールを完全にコントロールしていたと思う。特に何か指示する必要もなく、我々はただ黙って見ているだけで良かった。彼はすべての球種において、自分の思い通りにボールを操っていた」と話し、指揮官に同調した。
この日の大谷は1巡目を終えるとインターバルを取ったほか、クイックモーションで投げるシーンも見せるなど、より実戦に近いマウンドとなった。
■指揮官「早く復帰させたい誘惑にかられる」
これまで復帰のタイミングは7月のオールスターゲーム明けとされてきたが、圧巻の投球を見たロバーツ監督は「オールスター前にマウンド復帰する可能性もゼロではないよ」と“軌道修正”。「必ずしもフルで仕上げる必要はないんだ。彼がどんな形であれ投げてくれれば、それだけでチームにとっては大きなプラスだからね。私はショウヘイとドクターとトレーニングスタッフを信頼している。彼らがこの復帰プロセスを主導しているからね。とにかく、次の登板が待ち切れないよ」と声を弾ませた。
現在ドジャースの投手陣は負傷者が続出。ブレイク・スネル、タイラー・グラスノーらエース級が先発ローテーションから外れるなど台所事情は苦しい。そのため、記者から「オオタニを早くマウンドに復帰させたい気持ちはあるか」と問われたロバーツ監督は、「その誘惑にはかられるよね。きっとショウヘイも、もう我慢できずに一気に絆創膏をはがしてマウンドで投げたくなっているはずだ」とニヤリ。それでも、最後は「我々は彼の体をしっかりケアし、いい対応ができていると思う。正直なところ、彼を復帰させる“本当に正しいタイミング”がいつなのか、それは誰にも分からないと思う。だから、今は慎重にやるしかないんだ」とし、はやる気持ちを抑えていた。
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