
元世界3階級制覇王者・長谷川穂積氏が4日、自身のYouTubeチャンネルを更新。8日に東京・有明コロシアムで開催される“無敗”同士の日本人世界王者対決「中谷潤人 vs. 西田凌佑」について言及。両選手を分析し、勝敗予想などを語った。
◆中谷潤人、西田凌佑との2団体統一戦の勝利オッズは「1.11倍」 井上尚弥戦につながるKO勝ちは“後半戦”が濃厚と海外ブックメーカー
■西田が勝つための“鍵”とは「十分可能性は高い」
WBC世界バンタム級王者の中谷潤人(M.T)は8日、IBF同級王者・西田凌佑(六島)との2団体王座統一戦に臨む。
長谷川氏は中谷について「どの距離でも自分のパンチを当てられる選手。パンチを折り畳んだり打ち方を変えて選択しながら打つ。パンチ力も上がってきている」とバンタム級転向後、4連続KO中の王者を分析。西田については「数センチ単位で自分の距離を作って、できるだけパンチをもらわず自分のパンチを当てられる。色んな強豪選手に勝ってきているので、今回十分(勝つ)可能性は高い」とした。
戦績は中谷が30勝(23KO)無敗なのに対し、西田は10勝(2KO)無敗。互いに無敗ながら、中谷が3倍もの実戦経験がある。この戦績の差について長谷川氏は「かなりのハンデ」だとし、ピンチになった際、「これがハマらない時はこれ、という試合中の展開を変えられる上手さも中谷選手の方が持っている」と中谷優位を予想した。
試合中の対応力や戦い方の引き出しがなければ「中谷が圧勝する」とした一方で、西田が「何個も(戦略を)用意して、どれか1個ハマれば、西田選手が全部ラウンド持っていくと思う」とし、事前に“戦い方”をいくつ準備できるかが鍵になるとした。
■KOを求められる中谷にとっては“難敵”か
一方で、無敗の日本人同士の対決については「上を目指してる2人が潰し合うというのは、楽しみでもあるんですけど、どっちも負けないで欲しいなという気持ち」と複雑な胸中も吐露。試合結果については「中谷選手が勝つ場合は(8Rでの)KO。西田選手が勝つ場合は判定」と予想している。
長谷川氏は中谷について「おそらく最後のバンタム級。井上尚弥戦に向けてのステップで、最後に統一王者になって(試合に臨みたいはず)」だと2026年に井上尚弥(大橋)とのドリームマッチに向けて統一王者の肩書きが欲しいとし、対する西田も「踏み台にはならないという自信がある」と主張。
西田は10勝ながら「ボクシングファンから西田選手への評価は非常に高い」とし、「リスクをそこまで取らず、勝ちに徹するタイプで崩しづらい」と、インパクトのあるKO勝ちを求められる中谷にとっては“難しい”相手であるとの見解を示し「番狂わせの可能性もある」としている。
果たして日本人の“無敗”世界王者対決はどちらに軍配が上がるのか。見逃せない一戦となる。
◆井上尚弥に新たな刺客か「1、2年で実現すると思う」 25歳の無敗王者が日本での対戦を希望「日本の大ファンだから試合をできたら最高だよ」